NTTドコモなどアジア・太平洋地域の11携帯電話会社のグループ「コネクサス・モバイル・アライアンス」と英ボーダフォンは、顧客企業の通信契約や課金管理の窓口一本化や、海外でも同じ電話番号で通話できる国際ローミングサービスなどで協業契約を結んだ。26カ国に子会社を持つボーダフォンと11社が13カ国・地域で事業を手がけるコネクサスが手を組み、広範囲の顧客をサポートする。これに伴いボーダフォンはソフトバンクモバイル(SBM)との協力関係を解消した。
20日にシンガポールに各社の代表が集まって協業契約締結について発表する。複数の国に拠点を持つ企業は一般に各国の通信事業者と個別に契約しているが、今回の協業により世界の広いエリアで一つの通信事業者を通じて契約や課金管理などの手続きを一括で行える。グローバルに事業展開してきたボーダフォンと、成長が見込めるアジア・太平洋地域の携帯電話事業者が加盟するコネクサスのネットワークを組み合わせ、今まで取引がなかった企業を顧客に取り込む。
コネクサスとボーダフォンは今後定期的に会合を開いて、利用者が国や地域を越えて円滑に通信できる環境づくりを促進する。顧客情報の共有や新たなシステムの構築、端末の共同購入なども視野に入れて協力関係を深める。
ボーダフォンは日本ではSBMと協業していた。2006年にボーダフォン日本法人をソフトバンクが買収してSBMに社名変更した後も、国際ローミングでボーダフォングループの回線網を使うなど関係が続いていた。だがボーダフォンはアジア・太平洋地域を広くカバーするコネクサスと提携する方がメリットが大きいと判断、SBMとの協業を解消した。
ボーダフォンと契約する国際企業の日本法人は今後3カ月で自動的にSBMからドコモへと使用する回線網使用が切り替わる。該当企業は約200社あると見られる。一方でSBMは国際ローミングなどのサービスで新たな協力相手を見つける必要がある。