トマト貯蓄銀が不正融資、回収不能に

 貯蓄銀行業界2位で、このほど営業停止処分を受けたトマト貯蓄銀行(京畿道城南市)が大株主の後輩に当たる実業家に対し、公示地価12億268万ウォン(約8300万円)の土地を担保に978億ウォン(約67億6000万円)という多額の融資を行い、回収不能に陥っていることが分かった。

 金融当局や土地登記簿によると、トマト貯蓄銀は京畿道竜仁市の山野16万7972平方メートルを担保に地権者に当たる実業家に2005年から10年にかけ、融資を繰り返していた。この土地は道路とつながっておらず、公示地価は1平方メートル当たり7160ウォン(約494円)にすぎない。

 金融監督院関係者は「実業家に対する融資は、限度を超えたもので不正融資に当たる。検察に貯蓄銀行違反の疑いで告発し、金融監督院の制裁審議委員会でも関係者を処分する予定だ」と語った。貯徳銀行法は特定個人に自己資本の20%以上を融資することを規制している。昨年末時点でトマト貯蓄銀行の自己資本は1895億ウォン(約131億円)で、380億ウォン(約26億円)を超える融資は不正融資となる計算だ。

 実業家は問題の用地に高齢者施設を建設する建設だったが、許認可問題が解決できず、6年にわたり着工できずにいる。金融当局関係者は「貯蓄銀行が不動産プロジェクトローンに巨額の貸し出しを行い、不良債権に耐えられなくなった典型的なケースだ」と指摘した。

 トマト貯蓄銀は、実業家に対する法定融資限度を超えると、債権のうち278億ウォンの回収権をテヨン貯蓄銀行に譲渡していた。テヨン貯蓄銀も18日に営業停止処分を受けている。

 実業家はトマト貯蓄銀の申鉉圭(シン・ヒョンギュ)会長の高校の後輩に当たり、面識があるという。しかし、同行は「面識があるからといって、特例融資を行ったわけではない。他の担保もある上、事業価値が十分にあると判断し融資を実施したものだ」と主張している。

 一方、貯蓄銀行7行に対する営業停止処分が下されたことを受け、トマト貯蓄銀系で現在正常に営業中のトマト第2貯蓄銀行には19日、預金者1200人余りが詰めかけ、454億ウォン(約31億円)の預金を引き出した。

 金錫東(キム・ソクトン)金融委員長は、トマト第2貯蓄銀に自ら2000万ウォン(約138万円)を預金し、正常営業が可能な金融機関であることを強調した。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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