石容疑者が経営する飲食店から押収物を運び出す捜査員=19日午前11時50分ごろ、千曲市 |
日本人女性に成り済まして旅券(パスポート)を不正に取得したとして、長野、茨城両県警の合同捜査本部は19日、旅券法違反(不正取得)の疑いで、千曲市上徳間の飲食店経営で韓国籍の自称石多栄(ソクダヨン)容疑者(46)と、知人で同市磯部の飲食業山本三郎容疑者(75)を逮捕した。
両容疑者の逮捕容疑は、共謀して2008年7月、同市に当時住んでいた日本人女性(44)を装い、県上小地方事務所(上田市)の窓口で発給申請を行い、女性名義の旅券1通を不正に得た疑い。また、石容疑者の夫で韓国籍の無職権基政(クォンキジョン)容疑者(46)を、2年4カ月にわたり同市などに不法滞在したとして、入管難民法違反(不法残留)の疑いで逮捕した。3容疑者とも逮捕容疑を認めているという。
捜査関係者によると、石容疑者は1989年に入国。女性が面識のある山本容疑者に戸籍抄本や印鑑証明などを貸し、石容疑者がこれらを使って旅券や運転免許証を取得していたという。石容疑者は、女性名義で携帯電話や車なども購入したほか、韓国へも渡航していたとみられる。
捜査本部によると、女性は昨年3月に茨城県筑西市に転居したが、ことし5月に自分の住民票が千曲市に戻っているのに気づき、茨城県警に相談、不正が発覚した。捜査本部は、女性からも戸籍抄本などを貸した理由について事情を聴く。