寄り切りで栃ノ心(右)を下し単独トップに立った白鵬=両国国技館で
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◇秋場所<9日目>
(19日・両国国技館)
横綱白鵬(26)=宮城野=は栃ノ心を寄り切り9連勝。関脇稀勢の里(25)=鳴戸=が大関把瑠都に敗れて初黒星を喫したため、優勝争いの単独トップに立った。大関昇進を目指す琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=は連敗を免れて勝ち越した。平幕では199キロの臥牙丸(24)=北の湖=が98キロの新入幕、隆の山(28)=鳴戸=との“体重差対決”を制した。
栃ノ心の胸に頭をつけて寄る。今場所の好調さを示すように、横綱はどっしりと腰を下ろして寄り切った。稀勢の里が敗れたことで全勝はただ1人。“白鵬部屋”に向かって定位置の単独トップに躍り出た。
「相四つの相手だから多少遅れても相撲になると思っていた。投げで崩して、まあ、前に出られてよかった」。一言一言に余裕を漂わせた。
日本国籍は取得していない横綱だが、大台に乗る20回目の優勝ともなれば、一代年寄を得られる可能性は極めて高い。
師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「(将来的には)ボクは(白鵬に代を)代わってもいいと思っている」と話し、そうなった場合は部屋を引き継いでもらう考えがあることを示唆した。
「その前に、いい子を集めて預けられるようになればいい。20回の優勝で名前が売れれば入ってくる子もいるでしょうから。横綱にいい力士を育ててもらうように、頑張ってもらわなきゃいけない」と宮城野親方。
白鵬も将来的には親方として協会に残る意志を持っている。そうなるまでに、横綱には宮城野部屋だけでなく相撲界全体を盛り上げていく使命もある。
これまでは先に取組を行う全勝力士に「ついていくだけ」と話していたが、それはきのうまでの話だ。「今度は引っ張る立場になりましたから一日一番、残り最後まで引っ張っていければいいと思います」。後ろを振り向くことなく突っ走っていく。 (岸本隆)
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