福島県会津坂下町のJA会津みどりで20日、県内初の一般米の出荷が始まり、品質検査が行われた。全て1等米との評価で、米農家の小熊繁三郎さん(60)は「今年の米の出来は最高。ぜひ消費者のみなさんに食べていただきたい」と訴えた。
東京電力福島第1原発事故による放射性セシウムの影響が心配されていたが、県は15日から一般米の放射性セシウムの検査を実施。会津坂下町は矢祭町とともに17日に県内で初めて出荷可能と判断された。既に早場米は出荷されているが、一般米も加わったことで米どころ・福島の新米が本格的に市場に出回ることになる。
調査は県内を市町村を基本に370地域に分割。各地域の数地点からサンプルを採取して検査する手法で行われている。市町村内の全地域で国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を下回った場合に「出荷可能」の判断を出している。19日までに67地点の検査を終了し、いずれも検査機器で検出できる10ベクレル以下だった。
県農林水産部は「福島県の土が粘土質でセシウムを吸着しやすい性質のため、稲にはあまり吸収されなかったのでは」と分析している。【種市房子、蓬田正志】
毎日新聞 2011年9月20日 11時32分(最終更新 9月20日 12時16分)