不足する予備電力、今後5年は大停電リスク(上)

 韓国電力取引所の廉明天(ヨム・ミョンチョン)理事長は19日、国会で行われた国政監査で「過去にも電力の供給余力が100万キロワット以下に低下したことがあった」と証言した。以前にも今月15日に発生したような大規模停電が起きる危機があったが、何とか乗り切ってきたという説明だ。

 知識経済部(省に相当)と電力取引所によると、積極的な需要管理政策がなければ、2015年までに供給予備率(電力供給能力の余裕分)が3.7%‐6.6%に低下し、安全ラインの15%をはるかに下回る見通しだ。

 今月15日の大規模停電は決して偶発的な事件ではなく、今後5年間は停電のリスクを抱えながらの生活を余儀なくされそうだ。供給予備率は、発電所の電力供給能力の余力を指す。整備中の発電機の発電容量までを含むため、予備率は15‐17%が適正水準とされる。

■でたらめな需給予測

 昨年末、知識経済部が発表した第5次長期電力需給計画案は、これまでの電力需要の伸びがこのまま続くと仮定した場合、供給予備率が2012年には4.8%、13年には3.7%に低下すると予測した。14、15年は6.6%へとやや回復するが、それでも適正水準にはるかに満たない水準だ。16年には新規発電所の稼働で供給率は10.1%にまで回復する見通しだ。韓国では電力の供給予備率が03年の18%をピークに低下を続け、昨年は6.7%、今年は4.1%となった。

 電力供給が不足するのは、電力需要の予測がでたらめだったことに加え、発電所の建設が計画通りに進まなかったり、計画が中止されたためだ。

【写真説明】15日に突然起きた大規模停電により、信号が消えた交差点では深刻な交通渋滞が発生した。暗闇に包まれたソウル市中区のウェスティン朝鮮ホテル前の交差点では、警察が手信号で交通整理に当たった。/写真=全基炳(チョン・ギビョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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