最終更新: 2011/09/20 13:57

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原発建設計画が進む山口・上関町で町長選告示 「原発に頼らない町の将来像」争点

原子力発電所の建設計画が進められている山口・上関町で20日、町長選挙が告示された。国が新たな原発の建設は難しいと計画に待ったをかける中、原発に頼ろうとした町が揺れている。
山口県東部にある上関町は、人口およそ3,500人の小さな町。
これまでの町長選は、建設推進派と反対派が激しい対立を続けてきたが、今回の選挙では、その争点が大きく変わろうとしている。
29年前、当時の町長が原発誘致を表明したことがきっかけで、この町では現在、中国電力が2基の原発を新たに建設する計画を進めている。
町には、すでに原発関連の交付金が支給されていて、2011年度も一般会計の4分の1にあたる11億円が、その交付金でまかなわれている。
しかし、2012年度以降は、この原発マネーをあてにすることができなくなった。
野田首相は、13日の所信表明演説で「中長期的には、原発への依存度を、可能なかぎり引き下げていくという方向性を目指すべきです」と述べた。
福島第1原発の事故を受けて、政府が新たな原発の建設は難しいとの見解を示す中で、上関の建設計画の行方も不透明になったため。
ただし現時点では、建設中止が決まったわけではなく、中国電力も前向きな姿勢を崩していない。
このため、今回の町長選挙では、原発反対派の候補だけでなく、推進する立場の候補者も、原発に頼らない町の将来像を示さなければならなくなった。
原発建設推進派の梶原重海氏(無・現)は「今までは、原子力という1本の道で考えていたのを、1本の道だけではいけない。税収を高める方法も、しなければならない」と述べた。
原発建設に反対する山戸貞夫氏(無・新)は「原発新設はやめた、上関はやめたということがわかるまでは、突っ張っていく必要があると思う」と述べた。
建設計画は、今後どうなるのか。
原発を取り巻く状況が変わっても、町民の対立の図式は変わらない。
町民は、「完全に中止ってなったわけじゃないので、僕たちからしたら、原子力発電所の建設は、引き続きやってほしい」、「原発が建たない方向のまちづくりをやっていただけたらと思っています」などと話している。
20日朝、梶原氏は「この30年の重みをしっかり受け止めて、国は判断してほしいと思っております」と述べた。
一方の山戸氏は「お金を得るためには、町民の大事な命と生活を犠牲にしてもいいのか」と述べた。
上関町長選挙の投票日は、9月25日。
福島での事故を契機に、原発を取り巻く情勢が一変し、先の見通しも不透明になる中で、瀬戸内の小さな町の人々は、難しい判断を迫られている。

(09/20 12:47 テレビ西日本)


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