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セールスマン菊川の戦い (中)  

2011年 09月 18日

◇未来は闇か光か。その明暗を分けるもの。

3.11の大震災は、世の中を一変させる衝撃であった。会社は単月で、巨大な赤字を生んだ。
赤字とは、まさに血液が流れ出ているのであり、対処しないと会社は死んでしまう。
私の会社の取り扱い商品の中で、今、売れるものとは何か。
売上げ会議で示されたのは、私が、かつて販売したことない商品であった。
しかも、この商品は専門性を必要とするもので、客層も私が経験のない分野だった。
素人が、明日からでも売れるという商品ではない。勉強しても、最低2週間の準備期間が必要だろう。難しい仕事なのだ。
会議は幾度も行われた。勉強会も行われた。
けれど、見積りを作成することができない。マスターできぬまま、私は、北関東、福島県南部への営業に出向くことになった。
営業のプロでも難しいとされる数字を、私は課せられていた。
「とにかく、全力を出そう‥」
大変な生活になると思った。一切を仕事に注力しなければならない。
最終の会議で、経営者から会議参加者全員に酒が1本づつ渡された。
「一寸先は光」という焼酎だった。経営者の真心が伝わってきて胸が一杯になった。
経営者は、この焼酎の名前をどう思うか、感想を述べて欲しいと言った。
1人づつ、参加者全員が、思い思いの気持ちを述べた。
私は、この「光」の名に、闇を照らす仏を思い浮かべた。
「仏教では、利他(りた)といって、他を利する、すなわち他の人たちの幸福を願い、行動するということを教えています。この暗闇のような世の中を照らす光となって、前進していく、そんな希望を感じる名称に感じます。今、私は、この会社の闇が打ち破れるよう、全力を尽したいと思っています」と話した。
私の話を聞いた経営者は、「さすが菊川さんだ。創価学会の人は言うことが違う。菊川さんには期待しているよ。私は信じているよ」と語った。
私は、職場では有名な学会員であるが、この会議で鮮烈な学会宣言が行われたのである。
この会議から、私の本格的な営業活動がスタートした。
当初、アポイントを取り、専門営業員に商談を任せながら、その運びや見積もり作成方法を学習した。そして、5月初頭からは、福島県郡山市にて、本格的な営業活動を開始した。
私は、宿泊室にお守り御本尊をご安置し、朝夕に勤行・唱題し、日中は必死の思いで営業に出歩いた。雨、強風を跳ね返し、商談から商談の合間も、心の中でお題目を唱えつつ前進した。未知の分野の私の武器は、お題目だけだ。
不思議なことに、5月中旬に予想を超え早さで契約がポンポンと上がった。
周囲は驚いた。何故なら、プロの営業マンより、早く数字を出したからである。
5月末、本社会議に参加した私に、専門の営業メンバーから、「一体、どうやっているのか」と聞かれた。私は、「特別な方法はやっていません。一生懸命やっているだけです」と答えた。
売上げが低迷し、元気のない幹部社員がいた。
経営者は、元気のない幹部に、「元気がないな。それでは売れないぞ。菊川さん、この人に勤行を教えてあげたら?」と話をして、会議をなごませた。
素人の私が売上げを伸ばすことは、周囲の大きな刺激になった。
私は、「早々に売上げて、実証をしめそう」と、再び、福島県に出向いた。
しかし、この後、私の売上げは苦戦することになる。
6月以降、本当の営業の厳しさを知るのである。
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by sokanomori | 2011-09-18 08:11 | 体 験 | Trackback | Comments(4)

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Commented by hayamityouzaburou at 2011-09-18 14:00
ですね、浮き沈みは有る物です。
其れこそ、我々法華経の行者の修行の場で有ろう。
歯を食いしばり、負けてたまるか!って・・・
心で、御題目を上げ諸天善神をフルに動かす。
Commented by sokanomori at 2011-09-18 21:24
長さん、こんばんわ。
>御題目を上げ諸天善神をフルに動かす。
ですね。^^
諸天善神に助けられましたよ。
次をお楽しみに。(^^)
★菊川広幸
Commented by 火星のタコ at 2011-09-19 00:32 x
素晴らしいですね!「強盛の大信力をいだして法華宗の四条金吾四条金吾と鎌倉中の上下万人乃至日本国の一切衆生の口にうたはれ給へ」と御書の通りの行動です。学会宣言をし、経営者に「創価学会の人は言うことが違う」と言わしめた菊川さんの行動に、乾杯です!うぃ~~~(´∀`*)
Commented by sokanomori at 2011-09-19 06:29
火星のタコさんこと、鯖さん、おはようございます。^^
崇峻天皇御書の有名な一節、小さいながら果たすことができたと感じています。
祈りとひたすらな仕事の連続の日々でした。
創価学会員の菊川ですからね。周囲はそう見ていますし。
でも、振り返れば、美しい日々でした。
★菊川広幸
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