“中の人”? 【後編】
で、出演本番を迎えた今日。
自宅から“半ズボンスーツ”のいでたちで出勤してきたY君。
家を出るとき、家の人にはかなり不審に思われたそうで…。
親「何だその格好は?…会議か?」
Y「(めんどくさそうに)…ゆるキャラ。」
親「“ゆるキャラ”?…ってナンだ?…ったく。ちゃんとした格好して仕事しろ」
…という会話が出勤前にY家で繰り広げられたそうでして。
まぁまぁ、これも仕事ですから。
で、今日になって「やっぱや〜めた」って言われちゃ困るので、本社で一番高価な700万円もする高級車を用意し、私めが運転してVIP待遇で“役者さん”達を会場へ運びます。
ちゃらちゃらした服着て高級車に乗り込む二人を見てたMちゃ、「…夜の出勤前のお姉ぇさんと同伴出勤する連れの男みたいだな。」と二人を表現。ったく、いらんこと言わんでいいんな、Mちゃ。ほら、良く見て見な、片っぽ、半ズボンだから。
車内では「えぇ、出演時間は○時○○分からです。会場に着いたら…○○してください。じゃ、諸々よろしくお願いしま〜す」。
会場に着くと、主催者と打ち合わせしつつ、“役者さん”達には「えぇ〜、控室はこっちで〜す。出番まだだけど、いつでも出られるように、そのままスタンバっててくださ〜い」などとマネージメントも行いつつ。
スタンバる前の“中の人”たち。 するとY君、「ちょっと一服してきて良いですか?」と。
う〜ん。小学生っていう設定だからホントは困るんだよねぇ。でもまぁ、いいや。かぶり物被ってないと、蝶ネクタイして半ズボン履いた不思議なお兄さんだから。
“小学生”のくせに一服しに向かうY君。よく見て欲しい。タイツに半ズボン。
その後いそいそと準備をしつつ本番を迎えたのですが…。
う〜ん。TVや新聞などプレスの皆さんは多いけど、一般のお客さんは少ない…。平日の昼間だもんな。まぁ、しょうがねぇか。
で、我らが“2人組”は、他の2つのとこの“ゆるキャラ”と共演。
他んとこは、いわゆる全身着ぐるみタイプなので、子どもにも人気。
他んとこのゆるキャラ。こちらはりんごがモチーフらしいのですが…。
他んとこのもうう一方。こっちは…何に見えます?私は知ってますが…。
ウチんとこはというと…、首から下がリアルなので、イマイチ子どもには受けず…。
中には怖がって足がすくむ子もいてまして…。
それでも中には好奇心旺盛な子がいて握手を求められたり、お母さんに連れられた小さい子には「あっ、イチゴのお人形だぁ」と興味を持たれたり。
Y君にいたっては若い女性に握手を求められて満足げだったり。
まさに被り物をかぶろうとする“中の人”のFさん。でも普通そうやってかぶるか?
でもYよ、彼女らはキャラクターに握手を求めてきたんだからな。
ディ○ニーランドの“中の人”と同じ論理だぞ。
それにしてもこの“2人”、前がよく見えないから、誰もいない方へスタスタ歩いてっちゃったりもしましたが、立派にお役目を果たしたのでありました。
それを見つつ、「よしよし。人選に問題はなかったな」と自分のコーディネートぶりに悦に入る私なのでした。
帰りの車の中では、「他んとこは短足であんまり動けないけど、ウチらはスタスタ歩けるから、この機動力を活かさないといけないな」なんて2人で反省会してるし…。
その内に「Mさん、決めポーズとか踊りとかって欲しくないですか?パラパラとか」などとキャラクターに新たな展開を求めちゃったりして。ったく〜、最初は「“頭”がずれる」だの「暑い〜」とか言ってたくせに。やってみたら“中の人”にハマっな、お2人さん。
ちなみに、他のキャラクターの“中の人”の一人、ホントにおっさんでした。
それでも、ポーズは堂に入ってました。関係者に聞いたら、ウチらみたいに即席の“役者”ではなく、専門に雇ってるバイトさんらしいです。
それにしても、「かわいいぃ〜」とか言ってそのキャラクターと写真撮ったり、抱きついたりしてた若い女性の皆さん、それ知ったら…。おっさんやぞ、中身。
もう一度言うよ、ディ○ニーランドの“中の人”と同じ論理ってワケなんですな。
知らぬが仏?って言葉を思い出しました。 |
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