Wed2011.09.14
指導者を再開して思うこと
まさか私がボイストレーナーになる…などと、10年前は思ってもみなかった。
人前に出て何かを指導することを一番向いていない… と言った親族の言葉のトラウマを解いたのは、
何を隠そう主人だった。
主人は私の音楽の力を、それまでの誰よりも深く広く引き出してくれた、最初で最後のパートナーだ。
その主人が、私が自宅のPCとスカイプでの音楽指導を行っている現場を隣でちら見した後に、
「美樹ちゃん、教えるの… 向いてると思うよ。」と本気で言ったのには驚いた。
10年程前、実は一度同じようなことをして挫折した。
10人程度の生徒を持ち、その中の2人を実際に舞台に立たせてコンサートを数回開催したものの、
訪れた挫折の原因はとても複雑なものだった。
当時、私のスポンサーについていた女性とは金銭的な絡みもありつつ、師弟関係の間柄でもあったことで、
彼女もその役割りを脱線してしまったのかもしれない。
勉強熱心な女性で、レッスンはほぼ一週間に2回から3回というペースでやっていたが、
そのことを彼女が、他の私の生徒に少々口汚く喋った内容を聞き、もう師弟関係を続けられないと思ったのだ。
実際には他の要因も重なったが、それが破門の大きなきっかけになった。(-- 中略 --)
だから当時の彼女の言動は許しがたいものであったとしても、それはそれ…、
私の中ではすべて終わったことだったからこそ同時に、二度と人を指導などしないと心に誓った…。
だが仕事が私を追いかけて来たような格好で10年後、
再びボイストレーナー、そしてディクテーション〜ピアノ、楽曲分析の指導者として私は舞い戻ることになった。
前回と違うのは、営業指導者にはならないこと。
頼まれたら誰でもレッスンする講師ではなく、生徒を選ぶ講師であること。
これは授業の質、内容のレベルを低下させない為に、
そして生徒の質の安定を図るために絶対に必要な措置だということを、
10年前までの数年間の教訓として今活かすべきだという、強い認識に至ったからだ。
実際にスタジオでのレッスンをする以外に私は、インターネットを使った楽曲分析〜表現法の指導を行っており、
特に学生の場合、授業料等の諸問題に対応するための、
mp3音源やYoutube音源でデータの送受信をしながらのアドバイスにも応じている。
最近はそちらの受講を希望する若い生徒が増えているのだが、
やはり音楽は画面を通じてだけではなく、
指導者と受講者が実際にお互い対面しながらの方が、受講者側のスキルの上達は圧倒的に早いだろう。
先日はそうした授業料の問題等に受講者側も考えたのか、
歌手三人で1クールのレッスンをしては貰えないか… という相談を持ちかけられた。
まだ返答はしていないが、そうした色々なケースに対応した指導要項もそろそろ作成しなければならないと思っている。
又、実際に音楽は演奏しないけれど、色々な世界の音楽を聞きたい・知りたい… という受講者の為の、
情報指導もプログラムに組み込んで行こうと思っている。
但しその場合は、受講者がPCを扱えること、そしてYoutubeなどのツールを多少は知っていることが条件になるが…。
【Youtube Carlinhos Brown - Samba da Bahia [viktor]】 autoplay
LEANDRO LEHART - Magalenha
![]() | Samba Pop Brasil Mestico: Ao Vivo [DVD] [Import] (2005/02/28) Leandro Lehart 商品詳細を見る |
- 関連記事
- 葡萄の季節 (09/18)
- 指導者を再開して思うこと (09/14)
- 失うもののない強さ (09/07)
COMMENT
+LimeGreenさん>
今日コメントを頂戴したお二人目、そして実は個人的なメッセージを頂いた方全員が、
日本人なのに「踊りたくなる」と仰っていました。
音楽は人種の壁も言葉の壁も、そしてリズムの壁も越えて行きますね。
2曲目の奇跡的な録音風景には、私も同業者目線で見ることがおこがましく思えるぐらい、
ホントに素晴らしい、圧巻だと感じます。
+井案さん>
> 聞いていると足が動き出します(笑う)
本当にそう思って、この曲を掲載しました。
特に二曲目の動画は、サンバのレコーディングとしては奇跡的な録音だと思いませんか?^^♪
> 写真は復活に相応しい満開の桜ですね。
> これから葉を付けて大きな実を付けて下さい。
> 期待しております。
「Requiem 311」復活の記事…ですね☆
この桜は、「その」時期を表しています。祝賀の意味ではありません。
刻一刻と移り行くもの、そして捻じ曲げられた世界観の修復という意味でも、
私はこの作業をとても大切なものだと認識しております。
是非、一篇一篇を噛みしめて、言葉と接してやって下さいませ。
+比べてみて思いました
調律のあまり良くないピアノがほかの楽器に買い換えたみたいに鳴ったので、不思議に思って見てました。
曜日が違うクラスに行くとやっぱり買い換える前の楽器、だけど第○○曜日のその日はやっぱり楽器が新品になったみたいな音色。
歌わないでカラオケばっかり録音して帰ろうとする私に美樹さんが「ちゃんと歌いなさい!」と怒鳴ったのを、今でも忘れません。
でも私はその曜日は「録音して帰る日」と勝手に決めていました。
銀座では時々伴奏していただいてましたね。ありがとうございました、あの時は。
美樹さんが音楽の道を変更されてしばらくしてから気づかれた方も、多いのではないでしょうか?本当に美樹さんが裏方をやめてしまわれたことに。
誰も本気にしてなかったんです、当時は。
そして誰もそのありがたさにも気づいてなかったと思います。
いて当たり前の人でしたしね、美樹さんは。
伴奏をやめたらどうされるのかも全然知らされてなかった私や友人、みな結婚休業だと美樹さんを噂していましたけれど、ご結婚されてから活動が目に見えて充実される女性のピアニストさんを私はほとんど目にしません。
先日美樹さんにご連絡を申し上げた時ボーカルクラスの内容も変わっていたので、ああ、あっという間に遠い人になってしまわれたと正直寂しかったです。
時々キーボードの○○さんとは美樹さんのお噂をしています。同業者なのに美樹さんを以前から高く評価されていたそのキーボード奏者さんも結局、この世界に自分は長くいすぎてしまったと嘆いておられました。
美樹さんは丁度いいタイミングで業界からほかの世界に渡って行かれ、それが本当にあっという間でしたから皆さん羨ましがっていました。
私もです。
そうできるのも常日頃の美樹さんの勉学心があってのことだと思いますが、美樹さんはもう何年もそういうところを人には見せなかったですものね。
シャンソンとかカンツォーネの世界オンリーだと、皆さん思われていたのではないでしょうか。
懐かしいですね、当時が。そしてもう戻っては来ない当時の美樹さんも、音楽も。
もう美樹さんのシャンソンが聞けないと思うと本気で寂しくなりました。
+Fun!
+吹き飛ばす。
聞いていると足が動き出します(笑う)
写真は復活に相応しい満開の桜ですね。
これから葉を付けて大きな実を付けて下さい。
期待しております。