政治【正論】慶応大学教授・竹中平蔵 鳩菅二代の負の遺産まず見直せ+(1/4ページ)(2011.9.20 02:41

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【正論】
慶応大学教授・竹中平蔵 鳩菅二代の負の遺産まず見直せ

2011.9.20 02:41 (1/4ページ)

 社会や組織は、時に極端から極端へと振れる。鳩山由紀夫、菅直人という二代の民主党内閣が、大言壮語の末に殆(ほとん)ど成果を残すことなく崩壊したことを踏まえ、「どじょう」のように地味で黙々と政策を進めるという野田内閣の姿勢は、一応の評価を得ているようだ。しかし粛々と進めることと、官僚主導の古い政策手法は紙一重であることも忘れてはならない。極端な官僚排除から、極端な官僚依存への回帰が懸念される。

 ≪極端な官僚依存回帰を懸念≫

 野田首相は就任前の時点で、自民・公明両党の首脳と会談し、政策協議機関の設置を呼び掛けた。与野党協力の枠組みを作ることは重要だ。首相はこれまで混乱していた経済政策の決定プロセスを、新たな「司令塔」に一元化する姿勢も示している。乱立していた委員会を「国家戦略会議」(仮称)に統合するという。「枠組み作り」や「手続き整備」において、首相の方向性は評価されてよい。ただし、懸念がいくつかある。

 第一は、かつての経済財政諮問会議のような首相を中心とする政策会議が作られたとして、そこで現実に首相の指導力が発揮されるかどうかはまだよくわからない。当面の課題として環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加の問題があるが、すでに閣僚の間でも意見はまだら模様だ。

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