2011年09月19日
中国において昨日(9月18日)は中国では“九一八事变”と呼ばれる、柳条湖(溝)事件が起こった日で、「国恥記念日」とされています。そのため、この日が近づくといろいろ抗日戦争絡みのものがテレビで放送されたりするようになります。
ちなみにこの「国恥記念日」ですが、なぜこのような言い方をするかあくまで私の理解ですが、元々の意味は外国から侵略を受けた(許してしまった)日です。しかし、その内それがこうした侵略に対し、中国が立ち上がった契機となった日という意味も含んでいき、こうした言い方が残ったと考えます。
これが如何に政治的(人為的)なものであるかは言うまでもありません。実際、清朝末期から中国は外国の侵略に絶えず曝されて来たわけで、その都度国恥記念日は増えていきました。そのため阿片戦争に始まり、太平天国の乱(義和団事件)、日清戦争といくらでもあったわけです。
欧米やロシアからも侵略を受けたわけですが、日本からのものが数が多いため、どうしても「国恥記念日」というと日本からの侵略を受けて、最終的に中国が勝利をする契機となった日という風に認識されることが多いようです。
先に述べたように、この前後には反日色の強い記事が掲載されることになるわけですが、今日紹介しようと思ったのは、以前書いた「日本とフィリピンが領土で中国を牽制するための会議を開催」に関連するもので、「港媒:日本在中国南海开始蠢蠢欲动」(香港マスコミ:日本が南シナ海でいろいろ動き始める)という記事です。
これも基本的に日本とフィリピンが領土問題で中国を牽制するために会議を開催したということに端を発する記事ですが、以前のものとはかなり書きぶりが違います。何と言っても以前のものはアメリカが黒幕ということでしたが、これは日本は「四面楚歌」の状況に追い込まれているので、それを打開するためにフィリピンと連携を図ったが、ろくなことになるはずがないというものです。
日本の「四面楚歌」の状況として、北はロシアがすごい剣幕で、「日本の戦略的空間はすでに大いに圧縮されている」としています。尖閣諸島や東シナ海の油田開発問題でも中国は「日本の提出した理不尽な要求に対して厳しく反駁しており、日本はすでに手の打ちようがない」そうです。
そのため日本は南シナ海に外交的活路を求め、「フィリピンと共同戦線をはろうとし、南シナ海の問題でいざこざを引き起こしている」としています。しかし、この記事にによると太平洋戦争で日本は東南アジアに多大な災難を与えており、世界的不景気の今日、東南アジア国家はますます中国市場に対する依頼度を高めているので、日本がしようとしていることは日本にとってもろくな結果を招かないと断言しています。
如何にも「飛ぶ鳥を落とす勢い」にある者の、自惚れた見解です。自国のパワーに自信を持つのは必要なことですが、その結果あまりに物事が見えなくなっている典型的な例ではないでしょうか。孫子の兵法の時代から人はさほど進歩していないものだとつくづく思います。ちなみにこの記事では、日本の現状について以下のように述べております。
中国人がしつこすぎるのか、日本人が忘れやすすぎるのかわかりませんが、こうした認識の違いが、日中の大きな問題となっているのは間違いありません。そうした前提で書かれた記事ということを知らずに、日本人がこうした記事を読むと違和感しか覚えず、更なる認識の違いを生むという悪循環に陥るような気がします。
ちなみにこの「国恥記念日」ですが、なぜこのような言い方をするかあくまで私の理解ですが、元々の意味は外国から侵略を受けた(許してしまった)日です。しかし、その内それがこうした侵略に対し、中国が立ち上がった契機となった日という意味も含んでいき、こうした言い方が残ったと考えます。
これが如何に政治的(人為的)なものであるかは言うまでもありません。実際、清朝末期から中国は外国の侵略に絶えず曝されて来たわけで、その都度国恥記念日は増えていきました。そのため阿片戦争に始まり、太平天国の乱(義和団事件)、日清戦争といくらでもあったわけです。
欧米やロシアからも侵略を受けたわけですが、日本からのものが数が多いため、どうしても「国恥記念日」というと日本からの侵略を受けて、最終的に中国が勝利をする契機となった日という風に認識されることが多いようです。
先に述べたように、この前後には反日色の強い記事が掲載されることになるわけですが、今日紹介しようと思ったのは、以前書いた「日本とフィリピンが領土で中国を牽制するための会議を開催」に関連するもので、「港媒:日本在中国南海开始蠢蠢欲动」(香港マスコミ:日本が南シナ海でいろいろ動き始める)という記事です。
これも基本的に日本とフィリピンが領土問題で中国を牽制するために会議を開催したということに端を発する記事ですが、以前のものとはかなり書きぶりが違います。何と言っても以前のものはアメリカが黒幕ということでしたが、これは日本は「四面楚歌」の状況に追い込まれているので、それを打開するためにフィリピンと連携を図ったが、ろくなことになるはずがないというものです。
日本の「四面楚歌」の状況として、北はロシアがすごい剣幕で、「日本の戦略的空間はすでに大いに圧縮されている」としています。尖閣諸島や東シナ海の油田開発問題でも中国は「日本の提出した理不尽な要求に対して厳しく反駁しており、日本はすでに手の打ちようがない」そうです。
そのため日本は南シナ海に外交的活路を求め、「フィリピンと共同戦線をはろうとし、南シナ海の問題でいざこざを引き起こしている」としています。しかし、この記事にによると太平洋戦争で日本は東南アジアに多大な災難を与えており、世界的不景気の今日、東南アジア国家はますます中国市場に対する依頼度を高めているので、日本がしようとしていることは日本にとってもろくな結果を招かないと断言しています。
如何にも「飛ぶ鳥を落とす勢い」にある者の、自惚れた見解です。自国のパワーに自信を持つのは必要なことですが、その結果あまりに物事が見えなくなっている典型的な例ではないでしょうか。孫子の兵法の時代から人はさほど進歩していないものだとつくづく思います。ちなみにこの記事では、日本の現状について以下のように述べております。
このような日本が南シナ海に進出しようとしている結果ですが、具体的には以下のようになるとしています。日本は第2次世界大戦後、最も早く発展した国家で、長期にわたり貿易立国の政策を遂行し、すばらしい成果を挙げてきました。しかしここ数年、国際エネルギーの原材料価格は絶えず上昇しており、日本の工業製品の優位性は既に失われており、日本の経済は伸び悩んでいます。このような状況で、日本は知的所有権貿易と金融・投資を通じて世界で強固な影響力を得ようと試みている。
如何にもかつての満州事変をほうふつとさせるような書きぶりとなっています。他にも『環球網』に日本人がこの日を複雑な思いで見つめているという記事がありましたが(「日本复杂看中国纪念918 渲染反日行动却鲜有反思」)、日本で9月18日が柳条湖(溝)事件が起こった日であると知っている人がどれだけいるでしょうか。南シナ海の問題でいざこざを引き起こして、フィリピン等と連合し、中国から当該地区の天然ガスの資源を奪おうとすることは、日本政府は既に非常に危険な道にいるということだ。日本は海洋大国であるが、資源の乏しい国だ。日本は海洋経済を盛り返をしたいのであれば、必ず更なる広大な空間を探さなければならない。(しかし、)もし災いを人に押しつけ、他国に損害を与え、海洋権益の拡充を図るのであれば、最終的な結果は必ず自業自得となる。
中国人がしつこすぎるのか、日本人が忘れやすすぎるのかわかりませんが、こうした認識の違いが、日中の大きな問題となっているのは間違いありません。そうした前提で書かれた記事ということを知らずに、日本人がこうした記事を読むと違和感しか覚えず、更なる認識の違いを生むという悪循環に陥るような気がします。
- 共通テーマ:
- 日中関係 テーマに参加中!