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きょうのコラム「時鐘」 2011年9月20日
口数が減り食欲もなくなる。放射能を避けて福島県から県外に転校した小中学生の中には、不登校になるケースまであるという
理由のひとつに「方言の壁」があるとの記事があった。皆の前でしゃべるのがいやになり、故郷でなら「言い返した」元気さも萎縮する。笑った方は、それがいじめだと思わなくて悪意もないとしても、笑われた方は深く傷つく 方言自体に問題があるのではない。戦時中、東京の子が地方に学童疎開した時は、地方の子が都会っ子の言葉を笑った。耳慣れない言葉に関心を示し、笑ったり、聞き返すのは、子どもにとってはむしろ自然なことかもしれない 津軽弁を有名にしたタレントの伊奈かっぺいさんに「笑える方言詩」と題したCD作品がある。ある日、青森の男が秋田の居酒屋に入って女将(おかみ)と話す。ところが、さっぱり通じなくて戸惑うばかり。「青森と秋田びだっどく付いだ隣だばて言葉コァ違てなぁー」 子どもたちに知ってほしいのは、日本には各地に方言があり、方言とは文化や習慣の違いであること。その違いを互いに受け入れる心の広さを育てることだろう。 |