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[ライフ]ニュース
【東日本大震災】2度の大津波、語り継ぐ 体験を紙芝居と詩に、岩手の86歳女性
2011.6.9 09:37
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津波の怖さを素朴な絵で描いた紙芝居「つなみ」が脚光を浴びている。岩手県宮古市で「津波の語り部」として知られる田畑ヨシさん(86)が、昭和8年の三陸津波の体験を基に30年以上前に自作した。今にも通じる内容と、優しい語り口が、被災者の間に広がっている。(藤原保雄)
三陸津波のとき、当時8歳だったヨシさんは裸足のまま自宅を飛び出し、高台の裏山を駆け上がって難を逃れた。この37年前に起きた明治の大津波では宮古市田老地区で1859人が死亡した。生き残った36人の1人だった祖父から、体験談を何度も聞かされていたことがヨシさんを救った。
「津波が来たら、一人でもいいから高台の裏山に逃げろ。家族を気にしていたら、一家が全滅する」。緊急避難を意味する岩手弁の「津波てんでんこ」。祖父の声が今も心に響く。「ヨシ、『津波てんでんこ』だぞ」
ヨシさんは、このときの体験を昭和54年、紙芝居にした。三陸津波の恐ろしさ、とにかく逃げること、母が避難時の大けががもとで亡くなったこと…。紙芝居でヨシさんは語り聞かせる。「心のなかでよっちゃんは『海のバカヤロー』と何回も叫びました」
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