ホッとニュース 【9月19日02時39分更新】

宇宙の大爆発、仕組み解明 金大など研究チーム

ガンマ線バーストの想像図を示して解説する村上教授(左)と米徳助教=金大角間キャンパス
 宇宙で最大の爆発とされる「ガンマ線バースト」で、ガンマ線が放射される仕組みを、 金大や山形大などの研究チームが解明した。ガンマ線の波長の振動が一方向にそろう「偏 光」という現象を、世界で初めて本格的に観測し、強力な磁場が関与していることを立証 した。19日から鹿児島大で開かれる日本天文学会で発表する。

 ガンマ線バーストは重い星の超新星爆発などが原因と考えられているが、ガンマ線発生 のメカニズムはよく分かっていない。

 チームには金大理工研究域宇宙物理学研究室の村上敏夫教授、米徳大輔助教が参加。昨 年5月、H2Aロケットで打ち上げられた宇宙ヨット「イカロス」に観測装置を搭載し、 同8月26日に非常に明るいガンマ線バーストをとらえた。

 このデータを解析した結果、ガンマ線バーストで「偏光」が起こっていることを確認。 偏光はガンマ線が作られる際に、強い磁場が関与していることの証拠となる。観測では、 偏光の方向が短時間で変化し、複数の領域に向きの異なる磁場が存在するとみられること も分かった。

 現在も観測装置は稼働しており、研究チームはさらに別のガンマ線バーストの解析も進 める。村上教授、米徳助教は「理論では予想されていたが、観測で磁場の存在を立証でき た。メカニズムの解明につながる成果だ」と話した。


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