な ご り 雪

作:眠猫







「じゃあ、この淫乱なお嬢さんを感じさせてあげましょう」
 世話役の言葉に男達の動きが一層、濃厚になった。
 動きだけは優しい。
 皆、処女を感じさせると言う行為に夢中になっていた。
「いや・・・あ・・・あっ・・・」
 刺激に慣れていない初心なひとみなど百戦錬磨の男達にかかっては一たまりもなかった。
 無理やりに官能の扉を開かれていく。
「う・・・あぁ・・・んぁぁ・・・」
 声に湿り気が出てきた。
 身体が小刻みに震える。
 耐えようとして硬く握った手は無理に開かれ、かみ締めていた唇に指が差し込まれて耐える事を許してもらえない。
「んっ・・・あっ・・・あぁ・・・」
 ひとみの頭の中に甘い疼きがあふれてきた。
 止めようと思っても自分で止める事ができない。
 男達の舌は身体の感じる部分をやさしく這い回っている。
「うっく・・・はぁぁぁ・・・あぁぁ・・・」
 びくびくとひとみの身体が震え、背中が反ってくる。
「あぁぁっ!あぁん!」
 ひとみは生まれて初めての絶頂を好色な男達に寄って迎えさせられた。
 何も考えられなくなって、身体に電流が走ったような気がした。
「ひぃぃっ・・・」
 何度か喘いだあと、ぐったりとなったひとみから男達が身体を離した。
 皆、ひとみを上り詰めさせた事に喜びの笑いを浮かべていた。
 この会では本番はなしと言う決まりになっている。
 終わった後にそれぞれが別室でその為に呼んである女を抱くのだ。
 だが、男達は許されるならこのままひとみを犯してしまいたいような衝動にかられていた。
「いきましたね?」
「そんな・・・」
 自分が感じてしまったことにひとみは驚いていた。
 こんな状況で感じる自分が自分で信じられない。
「なんていやらしいお嬢さんなんでしょうね。ここまでいやらしいなら遠慮はいりませんね」
 世話役が全員を見渡す。
「そろそろラストのお楽しみにしましょう。機関車なんてどうですか?」
 男達に異存は無い。
 いよいよひとみが処女を散らす瞬間が訪れるのだ。
 皆、わくわくしていた。
「お嬢さん、それではそろそろ本番と行きましょうか?」
 ひとみは目を見張った。
 まだ、何かされるのだ。
 苦痛に終わりがないような気がしてきた。
「私・・・もう・・・」
 泣いて訴えてもこの部屋にいる誰も聞いてはくれない。 
 それでも助けを請うひとみが男達にはたまらない。
「これで最後ですよ」
「本当に?」
 最後と言う言葉にひとみの目が光った。
 もう少しで開放される。
 この辛さから早く逃れたかった。
「そうです。最後に貴女には男を知ってもらいます」
 意味がわからずにひとみは首をかしげる。
 あどけないその仕草が可愛く映る。
「貴女は男に抱かれるんですよ。きっと楽しいですよ」
 ようやく意味がわかった。
「ひっ・・・い、いやです・・・そんな・・・」
 セックスを言われているのだと理解できた。
 そこまではさすがにひとみも受け入れることはできない。
「いやぁ!」
 もう幸人の立場も考えられなかった。
 ベッドから飛び起きようするが、男達に押さえ込まれた。
 世話役が頭の上でひとみの両手首を縛った。
「いやぁ、もういやよぉ!やだってば!」
 必死に暴れるひとみをすでに説得するつもりはなかった。
 二人かかりで身体を担ぎ上げられた。
「いやっ!やめてぇ」
 暴れるひとみが連れていかれたのは部屋の隅だった。
 壁から2本の棒が突き出している。
 高さはひとみの腰位で、太さもある。
 その棒に片膝ずつかけられた。
 男達が膝に棒をはさんだ状態で足首と太腿を縛った。
 子供がおしっこをさせられるような姿勢で壁の棒に固定されてしまった。
 手は天井から伸びているロープに吊り下げられた。
「いや!やめて、おろして!」
 無駄だとわかっていてもひとみは暴れた。
 少し、たるみを持たして固定されているので腰の上下だけはできる。
 必死に暴れた。
 もうこれ以上は耐えられない。
 逃げ出したい。
「大丈夫ですよ、お嬢さん。本番と言っても男が貴女を抱くわけじゃない」
 その言葉にひとみの抵抗が止まった。
 助かるのだろうかと淡い期待を持った。
「貴女の処女を頂くのはこの醜いグロテスクな・・・」
 ひとみを脅かすようにゆっくりと言葉で嬲る。
 驚かせて恐怖に歪んだ顔が見たい。
「ほら、なかなか素敵な格好でしょう?」
 目の前に男性をかたどったバイブが突き出された。
 ひとみは絶句した。
 ここにいる人間はこんな物で自分を犯そうとしている。
「い・・・や・・・いや・・・やめて・・・お願い・・・」
 涙を浮かべながら懇願する。
 誰も聞いてくれるはずなどなかった。
「私達は紳士だと言ったでしょう?無理に入れるなんてしませんよ」
 ここまでしておいて紳士も何もあるものかとひとみは世話役をにらんだ。
「貴女はいやらしい女だから、自分で入れるんですよ」
 自分でそんなものなど、絶対に入れはしない。
 ひとみは首を左右に振った。
「そんなに抵抗していても淫乱な女だからすぐに気が変わりますよ」
 男達がひとみの足元にマイクスタンドをセットし始めた。
 土台は重くて動かないようになり、スタンドも太い。
 ちょっとやそっとでは壊れないような頑丈な作りだ。
 その先にしっかりとバイブを固定する。
「最初は入り口がわからないだろうから、教えてあげますよ」
 世話役がスタンドを動かす。
 ひとみの蜜壷のあたりを探る。
「いや!やだぁ!」
 ゆっくりと蜜壷の入り口にバイブをセットした。
「い、痛い!」
 先がひとみの蜜壷の入り口に当てられ、少し挿入された。
 それだけで飛び上がるほどの痛さだ。
「大丈夫、すぐに慣れて、これが止みつきになるんですからね」
 笑いながら世話役は高さを調節する。
「痛いよ!痛い!」
 ひとみが最大限まで腰を浮かせた位置でもバイブが抜けないような高さにスタンドが固定されてしまった。
 1cmほどバイブがひとみの身体の中に入っている。
「さ、私達はここまでしかしませんよ。後は貴女次第です」
 そうは言われても、棒は丸い。
 ひとみが必死に腰を持ち上げているにしても、筋力の限界がある。
「やめて、抜いて!おろして!いや!」
 叫ぶひとみの前に皆が集まった。 
 破瓜の瞬間を見ようと待ち構えている。
「いやぁ・・・」
 必死で自分の腰を持ち上げる。 
 太腿に力が入り、足が震える。
「お嬢ちゃん、さっさと諦めたほうがいいよ」
「楽になっちゃいなさい」
 心無い野次が飛ぶ。
 ひとみの額に脂汗がにじんできた。
 足の力が抜けそうになる。
「なかなかがんばりますね」
「健気で可愛いな」
 時間の問題だとわかっている男達は笑いながらひとみを見ている。
「う・・・うぅぅ・・・ひっ!」
 少しでも足の力が抜けて腰が下がるとバイブが入り込んでくる。
 激しい痛みに必死で腰を浮かせる。
「あぁぁ・・・も・・・う・・・」 
 だが、限界が来た。 
 足の力が入らなくなり、腰が少しずつ下に下がってくる。
「ひぃぃっ!痛いぃぃ!」
 ゆっくりと蜜壷にバイブが入ってくる。
 それでも腰を持ち上げる力が残っていない。
「ぐぁぁっ・・・ひぎぃっぃっ・・・」
 ひとみの絶叫が部屋中に響く。
 ゆっくりとバイブがひとみの蜜壷の中を進んでくる。
「痛い・・・痛いよぉ・・・パパ・・・」
 痛みの中でひとみは友一を呼んだ。
 友一の死から運命が変わってしまった。
「処女はその瞬間に親を呼ぶって言うのは本当なんだな」
 男達がそれを喜ぶ。
 どんどんと進入してくるバイブに耐えかねて必死で腰を浮かせるが、すぐに腰が落ちていく。
 浮かせて沈むの繰り返しだ。
 ひとみの苦痛を伴いながらの見世物だ。
「ひぃぃ・・・ひぃぃぃっ・・・」
「おやおや、自分でピストン運動をするなんて、いやらしいお嬢さんだ」
 その様子を皆がせせら笑う。
 ひとみは絶望の思いと痛みの両方に耐えていた。
 心も身体も苦しい。
「本当に処女だったんだな」
 バイブからスタンドを伝ってひとみの破瓜の証が流れていた。
 体重がしっかりとかかっているので、普通よりも出血が多いのだろう。
「本当に素晴らしいショーだ」
 男達が喜びながらひとみの様子を観察している。
「助けて・・・誰か・・・」 
 助けを呼んでも無駄でも誰かに助けて欲しいと言わないといられない。
「うぅぅ・・・」
 ひとみは幸人の姿を探した。
 幸人の為にこの辱めに耐えている。
 少しは自分を哀れに思ってくれているだろうか。
「おじ・・・さ・・ま」
 幸人は部屋の片隅のソファにいた。
 ひとみの側にはいなかった。
 ようやくひとみが幸人の姿を見つけた。
「助け・・・て・・・」
 必死で見つめたひとみの目に移ったのは酒を飲みながら、こっちを見て笑っている幸人の姿だった。
 ひとみが耐えている事を何とも思っていない。
 冷たくあざ笑っている。
「あ・・・あぁぁぁっ・・・」
 ひとみの中にあった小さな希望も消えていった。
 幸人は最初から自分を許す気などないのだ。
 ひとみがどれほど謝っても、尽くしても許さないだろう。
 憎まれている。
 ようやく完全にひとみは理解した。
「あぁ・・・うぅぅ・・・」
 泣きながらひとみは崩れていった。
 バイブがひとみの身体の一番奥にあたった。
 もっと下まで下がればひとみの身体を突き破ってしまう。
 ひとみはもうそれでもよかった。
 誰にも自分は愛されていない。
 父だと思っていた友一はひとみの父ではなく、心中に巻き込んだのも金の為だった。
 母の章子はひとみの顔すらろくにみてくれなかった。
 もうどうでもいい。
「おっと・・・」
 ひとみの子宮までも突き破ろうとした瞬間に男達が身体を抱え上げた。
 そのタイミングをしっかりと見ていたのだろう。
 ひとみは床に下ろされた。
「昔から破瓜の血は不老長寿の薬と言われたそうだ」
 男がひとみの股間に顔をうずめて、太腿を伝う血を舐め出した。
「へ・・・変態・・・」
 うめくひとみの周りで笑い声が起こった。
「お嬢ちゃんだってそうなんだよ。処女で感じるような変態はいないさ」
 そうでなくてもそういう人間達だ。
 男達は群がって、ひとみの股間に足をうずめた。
「若返るような気がするな」
 男達は蜜壷の中に指を突っ込んでまで、ひとみの血を求めた。
「うぅぅ・・・」
 堪能すると一人ずつ幸人の元に歩み寄って握手を求めた。
「こんな素晴らしい思いをしたのは初めてかもしれない。入会を歓迎します」
「ありがとうございます」
 幸人は丁寧に頭を下げていく。
 どうやら入会テストに合格したようだ。
「次回からはお仲間ですね。仲良くやりましょう」
「はい、お願いします」
 男達は幸人に握手をすると部屋から出て行く。
「今日はまだ合格するかどうかわからなかったので、貴方の為の用意はしてありませんが・・・あのお嬢さんで楽しんでください」
 最後に世話役が握手を求めた。
「苛め甲斐のあるお嬢さんをお持ちで羨ましいですよ」
 心底羨ましそうに世話役がひとみを見た。
 幸人は冷たい目でちらりとひとみを見ただけだった。
「満場一致で合格ですね。私も久しぶりに興奮しましたよ。ありがとう」
「気に入って頂けて、嬉しいです」
 にっこりと微笑みあった。
 全員が部屋から消えた。 
 残ったのはひとみと幸人だけだ。
「う・・・」
 ぐったりとしているひとみの上に最初に脱いだ洋服が投げられた。
「え・・・」
 ひとみは目を開いた。
 幸人が立ってひとみを冷たい目で見下ろしている。
「帰るぞ。さっさと服を着ろ」
 思いやりのかけらもない言い方だ。
「はい・・・」
 それでもひとみは必死に身体を起こした。
「ぐずぐずするな」
 幸人に急かされながら、ひとみは洋服を身につけた。





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