◇秋場所<8日目>
臥牙丸(24)=北の湖=が大道に勝ち1敗を守った。白鵬は厳しい攻めで栃煌山を退けて全勝ターン。稀勢の里(25)=鳴戸=も雅山を引き落として8連勝とした。大関昇進が懸かる関脇対決は、琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=が鶴竜に寄り切られて初黒星を喫した。鶴竜は4勝目。把瑠都は栃ノ心を寄り倒して6勝目を挙げ、日馬富士は時天空を下して星を五分に戻した。
角界の“ガガ”からも目が離せない。巨大風船のような199キロの巨体で、大道を土俵下まではじき飛ばして2日目から7連勝。臥牙丸は顔を紅潮させて「一気にいこうと思った。緊張するタイプだけど、頑張りたいと思うから緊張する」と笑みを浮かべた。
売りでもあり悩みでもあるのが体重。今場所は名古屋場所からマイナス1キロで199キロ。常に200キロをはさんで行ったり来たり。「ガッチリ食べたら大変なことになりますから。1年かからず300キロいきますよ」と小錦の285キロ(史上最重量)も軽く上回る自信があるようだ。
好きな食べ物はすき焼きで、肉は大好き。「ステーキなら5、6キロ食べられます」という。体重がパワーの源でもあるのだが「増えすぎると心臓とかに悪い」と気にはしていて夜食は食べないようにしている。
体重計は日本製では使用不可。アメリカから270キロまで計れるものを取り寄せた。しかし、体重計に乗るときは「ちょっとやせたかなと思ったとき」で、「メチャクチャ食べたときは乗りません」という。「だって何キロになってるか怖いでしょ」と“レディー”のようなガガである。
優勝争いにいることもさることながら、きょう9日目は隆の山戦を迎える。体重差は実に101キロ。「むこうは動きが速い。相撲に細い、デカイは関係ない。やりづらいよ、絶対。何も考えないでとりたい。お客さんに喜んでもらいたい」。角界では本家のガガ並みに注目を浴びる一番になるであろう。 (岸本隆)
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