原発事故時:東電が衆院委に開示 大半黒塗りで

2011年9月7日 22時26分 更新:9月8日 0時12分

東京電力が衆院特別委員会に提出した黒塗りの事故時運転操作手順書
東京電力が衆院特別委員会に提出した黒塗りの事故時運転操作手順書

 衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)は7日、東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒く塗りつぶして開示したことを明らかにした。委員会が「事故原因の究明のために欠かせない」として、東電に提出を求めていた。別の「シビアアクシデント(過酷事故)発生時の手順書」については、開示にすら応じなかった。同委員会は9日までに開示するよう再度要求した。

 提出された事故時運転操作手順書はA4判計6枚。「主要項目」や「当直長(当直副長)」など4項目に分類され、それぞれの手順などが書かれている。しかし、ほとんどが黒塗りされていて、かろうじて読めるのは、「原子炉圧力(容器の圧力)が上昇した時、非常用復水器の使用などにより圧力を●~●メガパスカル(●は黒塗り)に維持、報告する」といった記述に限られる。

 同委員会は、8月26日に経済産業省を通じ、操作手順書などの提出を東電に求めた。同省原子力安全・保安院によると、東電は9月2日に提出したが、その前日の1日、一般への非公開を条件とするよう打診していた。保安院は断ったものの、受け取った黒塗りの文書をそのまま委員会に届けただけだった。

 東電は「知的財産が含まれ、核物質防護上の問題が生じる恐れがある」などと説明しているという。川内委員長は「(黒塗りの資料は)極めて遺憾。手順書の開示に応じない場合は、幹部の参考人招致も検討する」と批判した。【足立旬子、河内敏康、関東晋慈】

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