本好きのための人には12月オススメ図書!
クリスマスを迎えるアドベントの今の季節にピッタリ。
私は小学4年生の時にこの作品に出会った。
「世界文学全集(小学館)」という国別の作家作品で編集された児童文学が毎月届く中のドイツ編。
ギムナジウムというドイツの寄宿学校に通う5年生と先生のお話。
クリスマスは楽しい行事。
でも家庭の事情(寄宿学校の設定)で楽しいはずのクリスマスが・・・
私は今でもこの時期になると繰り返し読み返している。
クリスマスを自分にとていつまでも大切な行事にするために。
主人公は、ギムナジウムというドイツの寄宿学校に通う5年生たち。
ボクサー志望のマティアス、秀才のマルティン、臆病なウーリ、詩人ジョニー、クールなセバスティアーン、の5人組。年齢にすると14~5歳。
本のタイトルの「飛ぶ教室」は、物語の中で、クリスマス集会で上演するジョニーが書いた劇の名前。
時代は、おそらく著者エーリヒ・ケストナーが本書を書いた1933年ごろ。
大人も子どもも懸命に日々を生きていた。
ドイツはナチスが政権を取り、暗い時代へ突き進んでいたころだ。
だから、今の日本の私たちや14~5歳の中学生たちとは違う世の中の話。
それなのに、こうも活き活きとしたものが伝わってくるのはどうしてだろう?
雪合戦の子どもたちが吐く息の白さまで見えるようだ。
小学4年生の時にこの作品に出会い、当時感動したのは、それは、14~5歳のころの心のあり様が、
時代や国が違ってもそう変わらないからなのだろう。
もちろん、すべてが同じというわけではない。
ただ、仲間を大事に想う気持ちとか、その裏返しの他のグループとの反目とか、誰かに対するあこがれとか、なりたい自分になれない悩みとか、家族に対する想いとか、変わらないものは確かにある。
そういったことが、まえがきのメッセージに劣らずストレートに伝わってくる。泣ける!
まえがきに、著者のメッセージがある「子どものころのことを、けっして忘れないでほしい。」
なんとストレートなメッセージだろう。飾りも比喩もなく、言いたいことを直に言葉にしている。
児童文学に大人になっても感動!
名著だ。
クリスマスの私からの贈り物!是非貴方に読んで欲しい!