福島の花火 打ち上げ取りやめ
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福島の花火 打ち上げ取りやめ

9月19日 13時10分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

愛知県日進市で18日夜に行われた花火大会で、震災からの復興を応援するとして打ち上げられる予定だった福島県の花火が、市民から放射性物質に対する不安の声が寄せられたことを理由に、市などで作る実行委員会が打ち上げを取りやめていたことが分かりました。

愛知県日進市によりますと、18日夜に行われた「にっしん夢まつり」では、震災からの復興を応援するとして、当初、福島県川俣町の業者が作ったおよそ80発の花火を打ち上げる予定でした。しかし、「花火は放射能に汚染されていないか」とか「確認できないのならやめてほしい」など、市民から放射性物質に対する不安の声が電話やメールで20件ほど寄せられたということです。これを受けて、日進市や商工会などで作る実行委員会は「市民が不安を感じる状況では打ち上げは難しい」と判断して取りやめることを決め、日進市の萩野幸三市長に伝えたということです。今回の対応について、萩野市長は「苦渋の決断だったが、花火大会の一番の目的は市民が楽しむことであり、実行委員会の考えを尊重した。打ち上げを取りやめたことで、福島県の方々に不愉快な思いをさせてしまったとすれば申し訳ない」と話しています。一方、花火を作った業者は、NHKの取材に対し「きのう、打ち上げをやめると工場長に連絡が入ったと聞いている。放射性物質が心配だと言われれば、どうしようもなく、残念だ」と話しています。放射線の人への影響に詳しい名古屋大学の西澤邦秀名誉教授は「今回の花火に人の健康に影響を与えるほどの大量の放射性物質が含まれているとは考えにくく、心配する必要はなかった。ただ、これまでも各地で同様の事例があり、放射線に極度に不安を感じる人がいることは予想できた。主催する場合には、過剰な不安を取り除くためにも、あらかじめ放射能を測定するなどの配慮があってもよかったのではないか」と話しています。