東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県を中心とした2200余りの地点ごとの5年後までの放射線量の移り変わりを示した電子地図を大阪大学の研究グループが作成しました。19日から大阪大学核物理研究センターのホームページで公開されます。
電子地図を作成したのは、大阪大学核物理研究センターの谷畑勇夫教授らのグループです。研究グループでは、福島県を中心とした2200余りの地点で、文部科学省が調査したデータを基に、放射性セシウムが時間とともに減少していく割合を考慮して、それぞれの地点の放射線量を5年後まで計算しました。そして、上空から撮影した写真を見ることができる「グーグルアース」のサービスと組み合わせ、雨や風、それに除染などで放射性物質が移動しなかった場合に、予想される放射線量の移り変わりを、選択した時期や地点ごとに棒グラフで示す電子地図を作りました。例えば、原発から北西におよそ30キロの川俣町の地点では、1時間当たりの放射線量が、ことし6月の4.36マイクロシーベルトから5年後には、1.75マイクロシーベルトに減少する計算です。谷畑教授は「避難地域に戻れるようにするには、自然に減る分を除いて、どれくらい除染しなければならないかなど、具体的な計画を立てるうえで役立ててもらいたい」と話しています。この地図は、19日から大阪大学核物理研究センターのホームページで公開されます。