東京電力が衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に対し、福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒塗りして開示した問題で、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は16日の会見で、同特別委の川内博史委員長(当時)から「事前に了解を得ていた」と反論した。
東電は12日に開かれた特別委理事会に、手順書の一つの「シビアアクシデント(過酷事故)発生時の手順書」の表紙と目次の一部のみを開示。川内氏は12日会見し「これだけの事故を起こしておいて資料開示に応じないのは遺憾」と批判した。
これについて東電側は16日、「開示内容(が限定されること)については特別委側と9日に打ち合わせをし、川内氏の了解を得ていた」と説明。松本代理は「手順書には機器の具体的な操作方法が記載されており、公開されるとテロリストに悪用され、世界の原発の安全に支障が出る恐れがある」と述べ、従来の説明を繰り返した。
特別委は原子炉等規制法に基づき、経済産業相に手順書の開示命令を出すよう改めて請求している。【比嘉洋】
毎日新聞 2011年9月16日 22時48分(最終更新 9月17日 1時38分)