減税について
Q.減税日本はなぜ減税を主張するのですか。
A.税金を払っている庶民の暮らしは苦しくて、税金で食べている方(議員、役人)が極楽の社会を変えなければいけない、というのが基本的な考えです。納税者への一番の敬意は減税、というのが減税日本としての主張です。
そして、強制的に役所に入るカネを減らす減税が唯一有効な行政改革の手段と考えています。
例えば名古屋では市民税10%減税により2010年度で161億円の税収減となりましたが、これは名古屋市予算のわずか1%程度です。1%の経費削減もできないようでは民間では生き残れません。
また、減税によって手元に残ったお金なら社会のために寄付をしよう、という方が増えることも期待しています。補助金による行政は固定的なメニューになりがちですが、寄付は自由度が高いのでNPOや市民活動、コミュニティビジネスの育成などが寄付金で後押しされるようになれば、市民中心の新しいまちづくりの可能性が開けてくると考えています。
Q.そもそも減税政策とはどういうものですか。
A.減税政策にはいくつかの観点があります。
①経済政策として
減税により民間部門の可処分所得を増やし、それにより消費が増え、経済を活性化させるという考えです。減税政策には即効性という利点があり、米国では共和党も民主党も経済状況に応じて適宜減税政策を行っています。一方で減税を行ってもさほど消費に回らない(2008年米ブッシュ減税時は10~20%)という論文もあり、減税政策の経済効果に対する定説は定まっていません。
②プライスキャップ(料金上限規制)による行革の推進として
収入の上限を決めることによりその範囲で行政活動を行わざるを得ないようにして経営改善を行い、無駄を削減するという考え方。減税日本の減税政策の一番の論拠です。
③小さな政府論として
小さな政府とは政府・行政の規模・権限を可能な限り小さくしようとする思想または政策です。アダム・スミス以来の伝統的な自由主義に立しており、政府の市場への介入を最小限にし、個人の自己責任を重視します。行政が税金を徴収して支出するよりも市民が直接支出する方が合理的で、役人には庶民の本当に欲しいものは分からない、という立場です。
Q.(地方税の)一律減税は金持ち優遇との批判がありますが。
A.地方税は単一税率と国が定めており、これを累進性に変えると法律違反になる恐れがあるため、現状では一律減税しか選択肢がありません。また、確かに累進課税に対して一律減税を行うと高額所得者に効果が厚くなりますが、これは元々の納税率が高かったためであり、「納税者への敬意」を掲げる減税日本としてはある程度は妥当と考えています。
Q.減税すると福祉や教育などの市民サービスが低下しませんか。
A.減税の原資は全て行政改革でまかなうので、そのようなことはありません。むしろ無駄遣いが削減されて役人の意識が向上し、ひいては行政サービス全体の向上につながると考えます。
Q.増税でプライマリーバランスを目指す考えはありませんか。
A.現在のような需給ギャップによるデフレ不況下においてプライマリーバランスを目指して増税をすればさらに景気を悪くするだけです。必要なことは減税や財政支出によりデフレギャップを解消し、景気の回復を目指すことであります。プライマリーバランスはその結果好景気になってからの話です。つまり、プライマリーバランスは目的では無く結果である、との考えです。
Q.かつてのレーガノミックス(米レーガン大統領の経済政策。大幅減税と軍事費増強など実施。1980年代)のように巨額の財政赤字を生むことになりませんか。
A.まず、レーガンノミックスはスタグフレーション化で行われており、現在の日本(デフレ不況)とは根本的に環境が異なります。またレーガン減税が減税幅約30%で経済浮揚と貯蓄=投資の増大が主目的だったのに対し、河村減税は10%で行政スリム化が主目的です。さらにレーガン時代は軍事費の大幅増という赤字要因がありましたが、日本ではそのようなことはありません。
Q.日本の財政は借金(国債、地方債)への依存度が高まっていますが、減税分を借金返済に充てたほうが良いのではないですか。
A.減税を宣言するからこそ行政がスリム化できるのです。それで生まれたお金が最初からあったかのようにみなして『借金返済に使え』というのは絶対に無理です。またこの景気が厳しい時こそ、景気対策として減税で民間に資金を還流させることが重要です。
Q.地方財政が厳しい現状で地方自治体が減税すると借金(地方債)が増える一方では。
A.地方自治体が起債によって減税することは禁止されていますので、減税で借金が増えるということはありません。現に名古屋では、2010年度の減税161億円分は全て行財政改革(185億円)でまかなっています。今後も同様に減税を起債で行うことは制度上ありえません。
Q.でも実際に名古屋では2010年度は借金(市債残高)が増えていますが、減税のせいではないですか。
A.名古屋で市債残高が増えているのは減税の財源が必要だからではありません。減税の財源は人件費削減など行政改革にて全額まかなっています。市債残が増えているのは金融危機以降税収が落ち込む一方、生活保護等の福祉予算の増大、子ども手当の地方負担分等があったためです。
Q.名古屋市は地方交付税交付金を国からもらっているのに、その状況で減税を行うのはおかしくないですか。借金を国や他府県につけ回しているのではないですか。
A.交付金は金融危機不況の影響から税収が急激に落ち込み、やむなく生じましたが、そもそも名古屋市全体(個人・法人)で国へ1兆7000億円を国税として支払っています。そのほんの一部を返してもらっただけで、別に国から仕送りを得ている訳ではありません。いわば交付金ではなく還付金です。全くもって借金を国や他府県につけ回すなどということはしていません。逆に、長い間国に税金を吸い取られている状態です。この状況を改めるべく「中京都独立構想」を推進していきます。
Q.名古屋市民税10%減税に続く、愛知県民税10%減税の目的は。
A.市と県で同時に減税をすると、他府県からの流入効果が相当見込まれるため、相乗効果はかなり大きいと考えます。市・県あわせて600億円/年の減税で2000億円の経済効果を生むという試算もあります。
またこの動きが全国に広がる機運もあり、名古屋・愛知から日本が変わっていくと確信しています。
■議員改革、議会改革について
Q.名古屋市議会議員の待遇はどうなっていますか。
A.名古屋市議会議員の年収は1600万円(2011年2月現在は臨時で1393万円)で、とても庶民感覚ではありません。これ以外に政務調査費として年間600万円支給されています。国際標準では地方議員はボランティアまたは市民並み給与が当たり前です。
Q.なぜ名古屋市議報酬を800万円へ引き下げるのですか。
A.1600万円という高すぎる報酬が、議員の家業化・職業化・指定席化という害を招いたためです。しかも長く議員をやるから市役所との癒着が生まれ、市役所の監視機能が低下して、税金の無駄遣いを見逃すことにつながっています。地方議員を市民並み給与にしてどんどん議員が入れ替わるようにしたいと考えています。
Q.高額報酬の問題点を具体的に説明してください。
A.
①議員が家業化、指定席化してしまいます。現在地方議員は世襲、国会議員の秘書経験者、労働組合専従員などにより寡占されています。新人が通りにくくなり、民間の感覚とかけ離れていきます。
②本来行政の無駄のチェックに目を光らせるのが役目のはずが、役人と持ちつ持たれつのなれ合い関係になり無駄使いを阻止できません。
③選挙に通る事が目的化し、口利きなどが横行します。市民側も地方議員は市民の代表というより何かあったら頼みに行く人、という感覚になっています。
Q.議員の給与を下げると質が低下するのでは。(2011年1月27日名古屋市議の報酬を決める検討会の準備会合に出席をした野中広努自民党元幹事長は、議員がボランティア化では地方自治が崩壊してしまう、と主張)
A.それは保身議員の悪あがきにすぎません。全く逆で、高報酬だと議員の質は低下し、市民並み給与だと向上します。高報酬は家業化・指定席化を招き質が低下します。市民並み給与だと庶民目線の議員により行政が厳しくチェックされる。また専門家が議員になりやすくなる。世界ではボランティア議員がデファクトスタンダードであり、日本のような高収入議員のほうが異常です。実際、世界中のボランティア議員は立派に責務を果たしています。
Q.現職議員からは議員報酬が年俸800万円ではほとんど生活費が出ないとの指摘がありますがどうか。
A.800万円という額は、本当の市民並み給与からすればまだまだ高額です。その800万円に加え政務調査費が年間500万円あっても議員活動ができない無能な人は議員を辞めれば良いのです。
また、公のため、人のために役立つ仕事なら、報酬のためでなくやりたいという人はいくらでもいます。そもそも年棒800万円で生活費が出ないというのはいったいどんな私生活をしているのでしょうか。また政務調査費が年間500万円支給されているのに、それだけでは足りない政治活動とは何に私財をつぎ込んでいるのか。さらに言えば、やれないのは経費削減の努力不足に過ぎず自分に甘いとしか言いようがありません。仮に政治活動にそんなに費用がかかるなら、寄付を集めて行う努力をすべきです。政治活動は議員の私的活動ではありません。公のためにすばらしい活動をしていれば、足りない分を寄付して下さる人は必ずいるはずです。?
Q.名古屋市議には議員報酬以外で何が議員の特権はありますか。
A.「名古屋港管理組合議会」や「名古屋競輪組合」のメンバーを兼任した場合、名古屋港管理組合の場合、たった10日間で年間56.8万円もらえ、名古屋競輪組合の方は、3日間で40.2万円ももらえるのです。まさに給料の二重取りになっています。これら議員報酬の二重取りは全廃を求め、減税日本の議員は自主返納を行います。
Q.減税日本がめざす理想の議員像は何か。
A.市民へ奉仕することを誇りを持って行う。名古屋市役所の職員や他の市議会議員から嫌われたとしても、名古屋市民からは愛される政治家となること。法律はきちんと守り、庶民感覚を持ち、議員としての政治行動もその価値観通りでありますこと。庶民感覚の報酬額で働き、任期は原則2期8年まで、同一選挙区における世襲は禁止とします。選挙ごとに新しい人に多数入れ替わるのが理想です。
Q.議員の兼業についての考え方は。
A.民間で収入の得ている兼業議員の方が民間のためになる政治をやるようになるため賛成です。ただ現状では議会が平日昼間に行われるため、サラリーマンとの兼業が難しいのが実情です。
Q.減税日本の公認候補には中小企業の経営者が多く、庶民感覚とは言えないのではないですか。
A.普通の人が議員になれることを目指す減税日本としては、サラリーマンが少ない点は確かに不満が残るところです。ただ、中小零細企業の経営者であれば庶民感覚は十分にわかるはずで、国会議員の秘書しか経験がなく民間で働いたことが無い人や、民間といっても労働一筋の人よりは厳しい世間の現状を理解していると考えます。
Q.減税日本の候補者に会社員が少ないが。
A.現状では残念ながら議会が昼間開催なのでサラリーマンには兼業で参加をすることが難しく、結果としてサラリーマン出身の候補者は少ありません。今後、サラリーマンでも議員になれるよう、夜間や土日に議会を開催できないか検討したいと考えます。
さらに、サラリーマンが議員になる場合、一定の議員任期後に元いた職場へ戻ることができるような制度改革を日本国政府へも働きかけていきたいです。
Q.今回の市長選挙では、市議会議員(特に高額給与)を敵に祭り上げて民意を駆り立てるポピュリズム的だ、という批判がありますがどうか。
A.減税日本は減税と地域委員会、議員報酬800万円という三大公約を掲げた。最大の公約は減税であり議員報酬は最大の争点ではありません。にも関わらずこの問題に関心が集まったのは、これまで市民がほとんど知らなかった市議会議員の貴族生活ぶりがあまりにも行き過ぎていたからだと思います。
ともあれ正しく情報公開し、全てありのままの事実を述べただけです。
Q.市議会改革をなぜ当事者である議員に任せないのか。
A.議員報酬の削減や議員定数の削減と言い出すと、必ず議会の自主性に任せるべきという批判が出てきます(議員本人も主張)。本来はそれが望ましいのですが、名古屋市議会は報酬半減を否決しました。代わりに議会側が出してきたのは、現在1600万円の報酬を2011年4月まで1400万円へ臨時で下げるが、それ以降は元に戻し、報酬を決める検討会を作り協議するというものです。残念ながら名古屋市議会には自己改革能力はありません。また前述の「名古屋港管理組合議会」(年10日前後の会議で年間56.8万円)や「名古屋競輪組合」(年3回の会議で40.2万円)といった給料の二重取りに関しても全廃の要求を議会に対して行いましたが結果は「議会独自で議員報酬の改革案を年度内に出す」と言って全会一致で否決しました。こんな議員たちに自己改革などできるはずがありません。
Q.定数削減についてはどう考えているか。
A.市民並み給与であればある程度多くても良いとも考えますが、将来的には名古屋市議を現在の75名の議員数を半減の38名程度まで削減すべきと考えています。民間企業の取締役会で75名の取締役がいたら、まともな意思決定など行うことができないのではないでしょうか。ちなみに、米国のロサンゼルスは人口385万人(2006年)で市議会議員15人、米国のシカゴでは人口283万人(2009年)で市議会議員50人、英国のロンドンでは、人口756万人(2007年)で、市議会議員は25名です。また地域委員会の活動が育ってくれば、地域の身近な仕事は地域委員会で行うようになるので、現在の市議会議員の仕事は大幅に減るはずです。
Q.党議拘束に関する考えは。
A.党議拘束は行いません。自民党や民主党など既存の政党が行っている党議拘束のように、議会において100%一致して投票行動をしていることの方がおかしいと考えます。そもそも投票所では政党名を書くのではなく、議員の個人名を書いて頂きます。議員それぞれ別人格であり、政策が100%一致するなどありえありません。議員は政党に所属する前に独立する市議会議員個人でなければなりません。
ただし、3大公約(市民税10%減税、地域委員会、議員報酬800万円)に反対をする候補者は減税日本では公認をいたしません。政党の存立根幹に関わる政策に反対をするのであれば、別の政党で政治活動を行うべきです。
政党の存立意義に関わるような政策については一致団結して政策実現を目指さなければ政党の意味がありません。しかしそれ以外の細かい政策課題や予算の執行方法などについては減税日本内で賛否が分かれることは当然あってしかるべきことで、それが議会における投票行動に表れるだけです。
■地域委員会について
Q.地域委員会の目的は何ですか。
A.地域委員会は地域のことは地域で決める、住民が市政運営に参画する、という理念のもとづいて作られた制度です。具体的には、地域課題を解決するために、投票で選ばれた委員を中心に話し合言い、市予算の一部の使い道を決める新しい住民自治の仕組みであります。人口に応じて、年間500万円、1,000万円、1,500万円の予算をつけます。現在の町内会と自治区を中心とする住民自治をもっと充実・拡大させ、真の住民自治を目指します。
Q.町内会とはどう違うのですか。
A.町内会も地域委員会も目的は同じです。しかし構成メンバーと活動範囲が異なります。
構成メンバーは、7~11人の地域委員会の委員は選挙で選ばれている、という違いがあります。また活動を行う分野も少し違い、地域委員会ではこれまでの町内会が取り組むことができなかった活動を主に取り組みます。具体的には町内会の主な取り組みが防災訓練や防犯パトロール、夏祭りや盆踊りの開催、地域の清掃活動であるのに対し、地域委員会は町並み保存や公園の管理、地域ぐるみの児童虐待防止活動や育児支援などが想定されます。
Q.地域委員会ではなく、区役所へ権限移譲した方が良いとの意見もありますが。
A.区役所では役人同士の分権で、住民への分権にはならん。税金の使い方を決めるので、どうしても選挙を経た人でなければなりません。
Q.素人の市民が税金の使い道を考えるよりもプロの行政マンに任せる方が良いのではないですか。
A.地域生活の身近なことはそこに住んでいる市民住民の方が問題点や解決策を分かっているはずです。役人よりもレベルの高い市民はたくさんいます。役人には庶民が本当にして欲しいことは分かりません。
Q.名古屋のモデル地区では地域委員の投票率が低いなど市民の意識が低いようですが。
A.今後全市拡大、予算の増大など地域委員会の役割が増えるにつれ市民の意識も高まるものと考えています。
Q.名古屋ではいつまでに全市拡大を実行するのですか。
A.条例案の可決次第、速やかに実行したいと考えています。
Q.地域委員会で取り上げる課題は、どのように選ぶのですか。
A.課題の選び方は、地域委員会ごとに任されています。ただし取り上げる課題分野に一定のルールがあります。既存の町内会や自治区で行っている分野のものは地域委員会では原則として取り扱わありません。また全市的な政策も除かれています。
Q.地域委員会への参加が少ないのではないですか。参加を促す取り組みは何がありますか。
A.まだまだ制度が周知徹底されていない面があります。まずは情報格差を埋め、参加を促す努力が必要と考えます。すでに地域で町内会活動等に参加している人としていない人の情報格差が課題です。町内会等以外の活動主体の関わる余地、他学区との情報公開度合いの比較なども必要です。
Q.最初に予算枠を示して、その範囲内でやりたいことを考えてもらう方法では、枠内全部を使い切ろうとの考えが働き、無駄遣いが起きやすく、地域課題の掘り起こしにはつながらないのではないか。
A.役所の仕事と市民活動は違います。役所では予算消化が日常茶飯事ですが、市民活動はボランティアでやっているので無駄遣いは起こりにくいと考えます。少なくとも役所よりは良い使い方になると信じています。
■中京都構想について
Q.中京都構想とはなんですか。
A.名古屋市と愛知県の意志を統一し、司令塔を一本化します。そして県と市の二重行政の無駄を解消し、さらに国に対してタッグを組んで準独立の働きかけをすることを目標としています。
Q.中京都構想は具体的にどう進めるのですか。
A.まずは市民税・県民税の同時10%減税恒久化達成を目指します。その後、国から国税徴税権含め様々な権利の移管交渉に入ります。将来的には、外交防衛などの国が行うべき仕事については、国に防衛費や外交費の請求書を作ってもらい、それを名古屋市へ請求してもらって、国に対する費用を支払うようにしたいと考えます。
Q.名古屋市選出の県会議員と名古屋市会議員の重複問題をどう考えるか
A.当然重複を解消して合理化すべきであり、今後具体的方針を打ち出していきます。