Leading Company TOP > 051:花王

Leading Company 女性活用&ワークライフバランスの先進企業を紹介!

花王

花王

EPS推進担当課長 
座間 美都子さん

個の尊重とチームワークを大切にする花王では、それぞれが自分の力を発揮し、仕事をし続けられる企業を目指して様々な取り組みを続けてきた。その文化は徐々に根付き、今では女性社員が出産を機に退職するのはレアケースとなっているそうだ。そうなるまでに、どのような活動をしてきたのだろう? 

EPS推進担当課長の座間さんにお話を伺った。

2010年10月時点の情報です。

「あなた、いつまで?」その質問の意味が変化する

花王株式会社は、製造から販売まで行うメーカーだ。そのため、部門によって社員の男女比率は大きく異なっている。

「製造部門は交代勤務の仕事が中心となるため、女性社員が元々少ない部門なんですね。逆に、企画などを行う部門では、家庭用品のメーカーですから、女性の活躍もめざましく、4割近くが女性で、女性管理職の比率も高くなります。育休の制度についても、80年代後半にまず利用希望者のいた部門から導入を開始して、90年代に入って全社的に導入した、という流れです」

こうして、90年代から2000年にかけて、必要な制度の制定・拡充と、制度が利用しやすくなるような風土啓発を行った。この間に女性の勤続年数は約2倍となり、女性社員比率も上昇していった。

「ちょうどその頃ですね。妊娠した女性がいるとしますよね。その人に『あなた、いつまで?』と尋ねたとします。この意味が、変化し始めたんです」
それは、どのような変化なのだろうか?

「以前は『いつまで仕事を続けるの?』だったんですが、その頃は『いつまで育休なの?』になったんです。復帰すること前提に話をするようになったんですね。90年代頃からですかね。当社で育児支援を特に力を入れていた頃のことです」

個の尊重とチームワーク――働きやすい環境を目指して

「2000年からは、次の段階に進むようになりました。男性社員から声が上がるようになったんですね。女性だけじゃなく、男性にも、と。もう、女性だけのために、という時代は終わり、開始されたのがイコールパートナーシップ(EPS)の推進です」

「EPS」とは、社員一人ひとりの尊厳を守り、持てる能力を最大限に発揮できる環境作りに努めるという企業理念「花王ウェイ」の行動原則に則った考え方である。EPSの推進を開始するにあたって、まずは2000年に委員会が結成された。どのような問題点があるのか、どのような活動を行う必要があるのか、検討する必要があったからだ。

「女性が働きやすくなった、と言っても、先ほども言った通り、部門によって女性社員の比率は大きく異なります。ですから、一律での活動はできません。部門ごとに、それぞれの目標を決めることが必要でした」

女性の少ない部門では、女性社員を増やすことができないか検討することが課題に。ある程度女性がいる部門では、職域の拡大を。そしてさらに進んで、女性社員の育成や管理職への登用を目標とする部門もあった。

個の尊重とチームワークを重視する花王では、このように、あらゆる社員がいきいきと仕事を続けられる環境の整備に取り組んできた。04年には厚生労働省による「ファミリーフレンドリー企業表彰」も受けた。

「当初の目標であった05年までである程度の役割を終え、委員会は解散しました。しかし、啓発活動というのは継続して行うことが重要です。委員会は解散しましたが、現在も様々な形で啓発は続けています」

花王株式会社

花王は、明治20年の創業以来、110年余りの事業活動を通じて、現在、日本国内ではトイレタリー部門ナンバー1の位置を築いています。しかし、私たちはこれに甘んじることなく、世界の消費者の豊かな生活文化に貢献する存在感ある企業をめざした挑戦を開始しています。

花王採用サイト

EPS推進とは?

花王は、企業行動指針「花王ビジネスコンダクトガイドライン」において、「社員の多様性と人権を尊重し、個の力を最大限に活かす」と定めている。

この指針に則り、文化、国籍、宗教、信条、人種、性別、年齢、身体的障害などを理由とする差別を排除するとともに、社員一人ひとりの尊厳と価値を尊重した「イコール・パートナーシップ(対等な関係)」を築くことをめざしている。

*花王HPから引用