東京電力福島第一原子力発電所の事故で、農林水産省は、農地から放射性物質を取り除く除染の方法を検討した結果、ひまわりの栽培は効果が期待できないとして、実用化を見送ることになりました。
福島第一原発の事故で、福島県内ではおよそ8300ヘクタールの農地で、コメの作付けを制限する目安となる放射性セシウムの濃度を超えています。農林水産省はこうした農地で今後実施する除染に適した方法を探るため、放射性セシウムを吸収する性質が報告されているひまわりを飯舘村の畑で試験的に栽培してきました。5月に種をまき、先月上旬に花が咲いた時点で刈り取って調べた結果、1キログラム当たり、茎と葉には52ベクレル、根には148ベクレルの放射性セシウムが含まれていました。放射性セシウムの吸収率は、土に含まれていた量の2000分の1程度にとどまる計算だということです。一方、土を表面から4センチ削り取る方法では、放射性セシウムの75%を取り除くことができました。こうしたことから農林水産省は、ひまわりの栽培による農地の除染は、効果が期待できないとして実用化を見送ることになりました。