2011年7月20日 15時0分
東日本大震災の発生で、11年の自然災害による経済損失は上半期だけで推計2650億ドル(約21兆円)に上り、観測史上最大となったことが、独ミュンヘン再保険のまとめで分かった。同震災が推計2100億ドルと約8割を占め、過去最大の損失だった05年のハリケーン・カトリーナ(米国、推計1250億ドル)を大幅に上回った。
同社によると、11年上半期の経済損失は過去10年平均の5倍以上になった。災害発生数は355件で、同平均の390件を下回ったが、東日本大震災や2月のニュージーランド地震などで損失額が膨らんだ。
一般的に、上半期よりもハリケーンや台風の影響を受ける下半期の損失が大きい。これまで1年を通じて最も経済損失が大きかったのは05年の2200億ドルだった。
同社は地震や火山噴火、洪水など自然災害による被害を補償する保険システム構築のため、西暦79年のイタリア・ベスビオ火山噴火以降の災害情報の記録を保存している。【江口一】