◆西武4−2楽天
マウンドで何度も首をかしげた。楽天・田中が痛恨の1敗を喫した。09年7月17日のオリックス戦(Kスタ宮城)以来、自己ワーストタイの13安打を浴びて4失点。自身の連勝は5で止まりチームの自力CS進出の可能性も消えた。
「大事な時期にこんな投球をしてしまい、情けない」。田中は一身に敗戦の責任を背負った。防御率トップの座を守り、自身が持つ年間奪三振の球団記録も206まで更新したが、今はチームの勝利を優先する時期。「原因? いろいろありますんで」と悔しさをかみしめ続けた。
フォームの修正がきかなかった。この日は佐藤投手コーチが「一番悪い時のパターン」という頭が前に突っ込む癖が出て変化球のコントロールに一苦労。1点差の5回1死一、三塁でフェルナンデスに甘くなったスライダーを、中前に打たれてしまった。
しかし、意地だけはみせた。終盤に交代を打診した星野監督に続投を直訴。「最後まで投げるくらいしかできることはない」と考えて、負け試合を一人で投げきった。これこそ、エースとしてのプライド。「何度も、何度も助けられてるんだから」と、星野監督も田中を責めなかった。残り21試合。リベンジの機会はある。「次はビシッと投げられるようにしないと」と、田中は前を向いた。 (川越亮太)
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