南シナ海の島々の領有権を巡り、中国と対立しているベトナムは、インドと安全保障上の協力を強化するとともに、南シナ海の油田開発などを合同で行うことで合意し、中国をけん制するねらいがあるものとみられます。
ベトナムのミン外相は、16日、ベトナムの首都ハノイを訪れている、インドのクリシュナ外相と会談し、両国が国防や安全保障の分野で戦略的パートナーシップを強化していくことで一致しました。さらに、ベトナム沖の南シナ海の海底の油田開発を合同で行うなど、エネルギー分野でも協力を深めていくことで合意しました。会談ではまた、ベトナムが南シナ海の島々の領有権を巡って、中国と対立している問題も取り上げられ、両外相は「南シナ海での船舶の航行の自由を保障し、国際法に基づいた交渉による問題の解決を目指すべきで、武力の行使や威嚇行為は控えるべきだ」という考えを確認しました。ベトナムとしては、軍事面でも経済面でもインドとの連携を強めることで、南シナ海の領有権を巡る問題で、中国側をけん制するねらいがあるものとみられます。