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福島第1原発:自治体外避難10万人 帰郷めどなく

原発事故で避難している住民の数
原発事故で避難している住民の数

 東京電力福島第1原発事故で避難措置がとられている福島県の12市町村で、自治体外での生活を強いられている住民が8月末時点で計10万1931人に上ることが毎日新聞のまとめで分かった。原発周辺では年間の積算放射線量が500ミリシーベルト超と推計される地点もあり、帰郷の見通しは今も立たない。原発から離れた地域でも、風評被害による観光客激減や経済の低迷などが続き、事故から半年たっても福島は全域が影響に苦しんでいる。

 警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域がある12市町村に、原則8月31日現在で、自治体外で生活する住民数を聞いた。南相馬市の2万5184人が最多で、浪江町の2万115人が続く。

 文部科学省の推計では、警戒区域内では35地点で年間放射線量が20ミリシーベルトを超えた。緊急時避難準備区域でも、除染は帰郷への大きな課題となっている。これらの地域では8日現在で小中学校計16校が休校し、子供たちも大きな影響を受けている。

 7月1日現在の県の推計人口は199万7400人で33年ぶりに200万人を割った。もともと減少傾向にあったが、今年3~6月の県外転出者は3万2471人で前年同期の1.7倍になった。住民票を移していない人も含め、県外への避難者は8月25日現在で5万5793人に上る。

 経済や雇用への影響も深刻だ。05年を100とした鉱工業生産指数は6月が86.1で、5月の79.9より回復したものの、事故前の2月の95.8には及ばない。職を失うなどした雇用保険受給者は7月時点で2万3862人で、前年同月の1.9倍。被災により離職し求職活動している人は、8月21日現在で8881人に達する。

 また、4~8月に会津若松市を教育旅行で訪れた学校は31校(2506人)で、前年同期の545校(4万3785人)から激減している。【北村和巳、蓬田正志】

毎日新聞 2011年9月8日 21時04分(最終更新 9月8日 21時37分)

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