2010年07月27日(火) 23時37分22秒

切ってもよい脳の部位って?①  ~silent area、ロボトミーなど 再編版

テーマ:脳のはなし

人気ブログランキングへ

最初に言っておきたいのですが、

切ってもいい部分など、人間の脳にある訳がない!

と、

基本的には思っています。


ただし、我々はどうしても人の脳を切らねばいけない職業です。


脳内にできた腫瘍をとる。

血腫をとる。

脳室から髄液をひくためのチューブを刺す。


いずれも脳にある程度の傷をつけなければいけません。


そういった際になるべく、

麻痺だとか明らかな障害を残さないようにしなければいけません。


そこで、

傷つけても障害が出ない、とされているエリアから脳に割って入るわけです。

これを silent area、 日本語では沈黙野とそのまま訳します。


昔の漫画のヒーローが言っていたのを思い出しますね。

「一般人は脳の30%しか使いこなせない」みたいなことを。


さて、

一般にこのsilent areaはどことされるのでしょうか?


有名なものは二つでした。


ひとつは劣位半球の前頭葉です。


劣位半球は多くは右ですね。

左利きの人の場合は左半球だったりすることもあります。


下図を参考にしてください。


ある脳外科医のダークなぼやき


もうひとつは側頭葉極といって側頭葉の先端です。


この二つはかつてから、

手術の際に切り落としてしまってもあまり問題はない!とされてきました。


視野の確保のために、

なんてことで動脈瘤の手術の時などに前頭葉をばっさり切り落としてしまうような脳外科医も中にはいるそうです。


しかし、、、、

これってほんとにいいんでしょうか?


結論から言うと、やはり、いいはずないのです。


ちょっと話がそれますが、


前頭葉を切る!もしくは壊す!

という意味で、最も有名で悪名高い手術がありました。


それは

ロボトミー

と言われる手術です。有名なのでどこかで聞いたことがある方が多いのかもしれません。


悪魔の手術と後に呼ばれますが、

精神病患者がおとなしくなる!ということで


統合失調症などの精神病患者に対して、

昔は平然と行われてきた手術です。


考案者とされるモニス医師はこの手術でなんとノーベル賞まで受賞しています。

当時は大変もてはやされアメリカのウォルター医師はアイスピックとノミを使った同手術を3000人以上に施術したとされています。


アイスピックとノミというだけで、なんだかぞっとしますよね。


実際、

ノミでアイスピックを眼窩のあたりから打ち込んで前頭葉を壊すといった手術だったようです。


今の時代から考えると、なんて乱暴な手術なんだろうと思いますが、

一昔前には平然とやられていた手術なので驚きですね。

このせいでウォルター医師は最も残酷な医者として、

悪名名高いナチスのメンゲル医師と同じように語られることが多いようです。


下図

ある脳外科医のダークなぼやき

最近、ロボトミストという本が出版されましたね↓


さて、こういった手術をするとどうなるのか?


今分かっている時点での前頭葉の機能とともに次回へ続きます。

また、もう一つのsilent areaとされていた側頭葉極に関してもまた次回。


読んだら↓をクリックしてね。

人気ブログランキングへ



ロボトミーについてもっと知りたい人は↓のX51.orgのページをどうぞ

http://x51.org/x/05/08/1413.php


ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜/ジャック エル=ハイ
¥2,940
Amazon.co.jp

ぼくの脳を返して~ロボトミー手術に翻弄されたある少年の物語~/ハワード・ダリー
¥1,995
Amazon.co.jp

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする

コメント

[コメント記入欄を表示]

1 ■無題

ペタありがとうございました。
早速お邪魔してしまいました(;・∀・)
なんかすごく興味深い記事です~
またお邪魔しますね

2 ■無題

ぐるっぽから飛ばせて頂きました

こういった類のブログは余り見かけない為、非常に参考になります。

私の様な凡人は医術の知識も無く医者様に言われた事を鵜呑みにして従ってきましたが、医学には残酷な歴史もあるんですね。


為になりました。
ありがとうございました。

3 ■Re:無題

>みるぁ@プロフ画随時変更さん
そうですね。
ただし、このロボトミーですが、
最近になって逆にその当時では他に治療法がなかったため仕方なかったとのことで評価されているようです。ノーベル賞も取り消しを求める動きがあったようですが、結局取り消されてないようです。

4 ■Re:無題

>ひななさん
ありがとうございます!
また、おいでくださいね

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/nsdr-rookie/10602844719/29135c2b