ベルトールドテクノロジーズのLB2045というγ線スペクトロメーターを買いました。
ドイツ製です。
シュトゥットガルトに本社のある会社です。
何ができるのかというと、
1.食品や飲料が含有する放射性物質を高精度で計測する
→ 検出限界1Bq/kgでγ線を出す放射線の測定ができます。
何ベクレル/kg(またはℓ) 放射性物質が入っているか調べられます。
2.入っている放射性物質の特定ができる
→ 例えばセシウム134、137が何ベクレル入っているか、ヨウ素131が何ベクレル入っているか特定できます。
何ができない、どこが不便かというと
1.α線、β線の検出ができない
→ γ線を出す放射性物質の検出だけができます。
例えば、プルトニウムはα線ストロンチウムはβ線を多く出すので、
γ線を計測するこの計測器では検出ができない(しづらい)です。
2.即時に計測ができない
→ 検出限界1Bq/kgの精度を出すには約1時間ほど計測する必要があります。
10分だと50Bq/kg程度の精度になるようです。
3.食品の計測をする場合は、食品を細断する必要がある
400CCのビーカーに食品を入れるために細かく食品を砕くためにはフードプロセッサーを使っています。
気になる価格は、諸々込みで275万円くらいでした…。大変、高価ですよね。
ただ、研究所でやはりγ線を測定するゲルマニウム半導体検出器は3000万円弱ほどしてしまうので
比較としては10分の1程度ということになります。
3 コメント:
できましたらご教示いただけると助かります。
>検出限界1Bq/kgの精度を出すには約1時間ほど計測
とありますが、食品宅配業者のオルターさんの会報には、この機種を発注したけれども、1Bq/kg の検出限界には10時間の計測が必要と書いてありました。
オルターの社長さんとも電話で話して確認したのですが、約1時間が正しいスペックなのでしょうか?
だとすると、非常に高性能で、私にとっては良いニュースなので、地元自治体にも薦めたいと思っております。
検出限界に関する数字は、直接メーカーから聞いたものです。
実際つかってみた感覚としては、1時間なら1Bq/kg、10分なら50Bq/kgと
いうより、サンプルの種類によって計測する時間が異なるというもので
あると理解しています。
混合物が少ないものは非常に短い時間で結果が出ますし、計測のノイズが乗ってしまうようなサンプルを測る際は時間を長く取る必要があるように考えています。
例えば、フィルターで濾過した都会の水道水で放射性物質が混合物が混入していない場合、比較的すぐに結果が出ますが、天然水に塩素処理だけを行った水道水は結果が曖昧で、4時間ほど計測を行ってみたこともありました。
また、野菜もカリウム40のような自然放射性物質を含むことがあるホウレンソウ等は結果が出るのに時間がかかりました。例えばダイコン等は経験上早く計測できます。
ただ、この辺の計測時間や誤差に関して自動で処理をして教えてくれる訳ではないので、正確性と検査効率を求める場合、ある程度の試行錯誤が必要かもしれません。
今度その辺をドイツに直接聞いてみますので、分かればまたこのブログに書きます。
もしもう少し質問があれば、azabuzerobq@yahoo.co.jp までメールを下さい。分かる範囲でお答えします。
taka さま
迅速な、詳細なご回答に感謝申し上げます。
もしかしたら、今後の機種選びの中でメールさせていただくことがあるかもしれませんが、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
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