「仕分けで凍結」だったのに 国家公務員宿舎の建設再開

2011/9/ 1 18:53

   事業仕分けで「凍結」となった埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎の建設事業が再開された。「ムダを削る」会議で凍結された事業が、大震災復興財源のため増税が検討されている最中に復活することへ違和感を表明する声もあがっている。

   「財政がこれだけ厳しいとき、福利厚生をやる会社、ありますか?」。朝霞の宿舎建設が再開された2011年9月1日、情報番組「モーニングバード!」(テレビ朝日系)で、局内コメンテーターの玉川徹さんは、民間企業ならあり得ない、と建設再開をこう批判した。「(復興財源より)宿舎建設の方が優先度が高い、ということですよ」とも続けた。

総事業費約105億円

野田新首相の判断は変わらず?
野田新首相の判断は変わらず?

   朝霞の宿舎問題は、民主政権誕生後間もない2009年11月の事業仕分けで、「全面的に凍結」と勧告された。米軍キャンプ跡地に建設するもので、総事業費約105億円。鉄筋コンクリート13階建てが2棟、計850戸だ。13年6月に完成が予定されている。

   凍結を解除し、建設を再開することは2010年12月24日に発表されていた。

   宿舎事業を所管する財務省がモーニングバードの取材に答えたところによると、「政務3役が中心となり、オープンな場で民間有識者のご提案」をききながら総合的に判断したそうだ。ちなみに野田佳彦・新首相は、09年の事業仕分け時は財務副大臣で、10年末の凍結解除の決定時には財務相だった。凍結解除は、野田氏が了承した形だ。

   11年8月31日に宿舎建設問題を取り上げた情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)に登場した、改革派官僚の古賀茂明氏(経済産業省大臣官房付)は、「研究会などを開いて(凍結された案件を)密かに再開するのは官僚の常とう手段」と指摘した。

   また古賀氏は、財務省が復興財源にあてるため増税の必要性をアピールする中、「それでも公務員宿舎建設に回す金はあるんです、という理屈は全く理解できない」と批判した。古賀氏は、公務員宿舎不要論者だ。

(続く)

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