東日本大震災では、住民の避難誘導などにあたっていた多くの警察官が津波に巻き込まれて亡くなりました。盛岡市では17日、犠牲になった警察官の合同葬儀が営まれました。
東日本大震災では、岩手、宮城、福島の3つの県で合わせて30人の警察官が死亡、あるいは行方不明になっています。ほとんどが沿岸の交番や警察署に勤務していた警察官で、最前線で住民の避難誘導にあたっていて津波に巻き込まれました。17日は岩手県内で犠牲になった警察官11人の合同葬儀が盛岡市で営まれ、遺族や警察関係者などおよそ1200人が参列しました。この中で、警察庁の安藤隆春長官は、「皆さんは、大津波の危険を背後に感じるなか、まさに身をていして1人でも多くの命を救おうとしていました。任務を最後まで遂行しようとしたことは全国の警察官の誇りです」と追悼の辞を述べました。津波で亡くなった1人、高橋俊一さん(60)は、陸前高田市の交番の所長として1人で最後まで交番の中に残り、無線で避難誘導の指揮を執り続けていたということです。合同葬儀には、高橋さんの部下や同僚だった警察官も参列し、高橋さんの遺影をじっと見つめて涙をぬぐう姿が見られました。妻の美江子さんは、「ほんとに夫がいないんだという感じがせず、まだ、帰ってきそうな気持ちがします。自分が頼ってばかりだったので、ご苦労様、ありがとうと言いたいです」と話していました。震災で亡くなった警察官の合同葬儀は、今月20日に宮城県でも行われます。