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[経済・IT]ニュース
中国失速の兆候、対中機械輸出に急ブレーキ
2011.9.17 20:51
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中国向けの建機輸出は、リーマン・ショック後の4兆元(約50兆円)景気対策を追い風に「倍々ゲーム」(大手メーカー)で増えてきた。日本建設機械工業会によると、07年度を100とした指数で、10年度は225と2倍以上に拡大した。だが、11年度は189と、一転して前年割れに転じる見通しだ。
「インフレと不動産バブルの抑制のため、中国金融当局が年頭から断続的に金融引き締めを実施。公共工事の用地買収資金を供給する銀行の資金繰りが悪化して工事が停滞し、建機の需要減につながっている」(業界関係者)という。
さらに7月に浙江省で発生した高速鉄道の脱線事故で新規路線計画が一時凍結されたことも足を引っ張っている。
生産財がマイナスに転じるなか、消費財でも8月の新車販売が前年同月比4%増となり、年間で32%伸びた昨年から急減速した。引き締めによるローン金利の上昇と政府の補助金打ち切りが最大の原因だ。
中国は、08年9月のリーマン・ショック後、世界経済が急降下するなか、大規模な景気対策でV字回復を果たし、「救世主」となった。だが、副作用によるバブルとインフレに直面。格差拡大で社会不安も高まっており、金融引き締めを続けざるを得ない一方で、インフレを助長する大規模な財政出動にも動けない。
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