11月末で休業する瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ=香川県坂出市与島
香川県坂出市与島の観光施設「瀬戸大橋フィッシャーマンズ・ワーフ」(真鍋里枝社長)が、11月末で全館休業する方針を固めたことが16日、分かった。これまでも来場者の伸び悩みで一部施設の休業を強いられている上、高速道路料金の休日上限千円制度の終了などで観光客の増加が見込めなくなったことが背景にあるとみられる。
休業については、同日までに従業員に通知したほか、地元自治会代表や坂出市に対しても書面で伝えている。真鍋社長に事実確認した市によると、厳しい社会情勢で観光客が年々減少し、施設の抜本的見直しを図ることが休業の理由。再開時期や従業員の雇用などは未定という。
施設は、瀬戸大橋が開通した1988年に京阪フィッシャーマンズ・ワーフとしてオープン。初年度の来場者は約516万人を記録したが、その後は来場者の減少に歯止めがかからなかった。
2003年4月からは八幡建設(鳥取市)が営業譲渡を受け、子会社を設立して運営。庭園や足湯などを併設した「オアシスパーク瀬戸大橋・ベゴニア海花園」を開園し、集客アップに努めたが、短期間で休業するなど事業縮小が続いた。現在は、施設本館で土産物販売とレストランを営業している。
休業の知らせを受けた与島連合自治会の住谷一弘会長(66)は「経営が大変なことは承知していたが、島のにぎわいのためにも続けてほしかった。今後の施設処理など詳しいことは一切分からず、どう対処していいのか」と困惑していた。