反政府デモへの弾圧が続く中東のシリアでは、デモが大規模になるイスラム教の金曜日の集団礼拝に合わせ、治安部隊が、デモの参加者が多い地区の住宅を無差別に攻撃するなどして、2日間で38人が死亡しました。
シリアでは、アサド政権の即時退陣を求める市民のデモに対して、軍や治安部隊が厳しい弾圧を続けています。イスラム教の金曜日の集団礼拝が行われた16日も、首都ダマスカスの郊外や中部のハマの郊外などでデモが起きたのに対し、軍や治安部隊が銃撃や砲撃を加え、人権団体によりますと、2日間で38人が死亡しました。人権団体によりますと、このうち、ふだんから大規模なデモが起きるハマの郊外では、デモが始まる前に、軍が戦車を使って、無差別に住宅を砲撃したということです。アサド大統領は「デモの参加者は欧米の陰謀に扇動されたテロリストだ」として、弾圧を正当化していますが、市民に対する無差別な攻撃の実態が明らかになれば、国際社会からの非難が一層強まるものとみられます。