成績通知がまだ届いてないので、自分がどの科目が評価されて、どの科目が評価されなかったのかまだわからない状況ではあるが、自分が最終年にやった論文勉強方法は一応最終合格という結果は出てるのでそれなりの参考にはなると思う。

少々、乱文になってしまって読みにくいかもしれないけど、けっこう大事なことを書いたつもりなので最後まで読んで欲しい。

択一の勉強よりも何よりも論文の勉強を重視すべきことは前回の記事でも書いた。
択一の勉強方法はまた別の記事に譲るとして、今回は論文の勉強をするにあたっての総論的な話をしようと思う。

まず、どの科目にも総じていえることは、問題演習をやるまくること。
暗記すべきことを明確にし、暗記の時間は別枠でしっかりとること。
基本書は2の次3の次と思ってもいい。
試験に受かるという観点だけでいえば、基本書は有効なツールとはなりえても、必要不可欠なツールではない。
むしろ、辞書的に使うのがベストだと思う。

俺も一時期基本書至上主義にはまってた時期があった。
これは結果的には合格の時期を遅らせることになったと思う。
基本書1冊読むのに時間がかかるうえに、読んでも頭に残ってない。
ところが演習書なら読むというより、問題を解きながらという形なので、やってて苦ではないし、時間もかからない。
何より基本書を通読するよりよっぽど本の内容を理解しているし、問題解決能力が身についている。


新司法試験の論文試験で何が一番大切か?


①みんなが当たり前に書けるところを落とさないこと。(論点的問題)
②論理をつなげて書く。(三段論法)
③事実の評価を忘れない。(あてはめ重視)


①は、論点抽出能力のことである。俺はこの能力を身につけるのが一番苦手だった。この能力を身につけるためには演習書をやりまくる、重要判例をまわしまくるしかないというのが俺の結論だ。
①の能力を養うためにはいちいちすべての問題を答案に書く必要はない。
簡単な答案構成だけ考えて、すぐに答えをみて、理解して、どんどん次の問題にうつろう。
①の能力のためにはどれだけ問題、判例に接したかが大事だからである。

一番いい教材は新司法試験の過去問(問題の質◎、実戦的◎、)、次は学者の書いている演習書(善し悪し差があるけど、問題の質◎、実戦的△)、次は予備校の答練問題(問題の質△、実戦的◎)、次は旧司の過去問(問題の質〇、実戦的△)。
1冊を繰り返し解いて、問題を読んだだけで答案が思い浮かぶくらいに極めるべき。
それが終わればまた次の1冊にうつる。また極める。
その過程で、覚えるべき定義や論証は別途カードに集約して、別の機会にまとめて暗記する。
ここで、論証について注意が必要。論証はできるだけ、可能な限り短いバージョンを覚えるようにする。
新司法試験では法律構成の段階でそこまで深い論証を求めていない。
法律構成で悩ませるような問題の場合、あらかじめ用意した論証等無意味で、その場で考えるしかないからである。

あと、定義や論証を覚えるさいに、その意味を必ず理解すること。
理解がないと、少しひねった問題(本番はひねった問題ばっかり)が出されたときの応用力がつかない。
この過程において、基本書を辞書的に使うことについては賛成だ。

判例については、事案も含めてしっかり読み込むことが大事(特に憲法、行政法、会社法、刑法、刑訴法)。
判例は新しいものであればあるほど重要度は高い。


②は、答案の書き方の問題だ。
これが意外と難しいらしい。俺はこれについては得意だった。
例えば、論文の冒頭から、

表見代理が成立するか
要件ⅰ~要件ⅱ~…

というふうに始める人がいる。
これはもう答案をみてる側からすれば、「なんでいきなり表見代理?」となる。

なぜ、表見代理の成立を検討するのか最初に明示しないと、その後の文章とつながらない。
だから民法でいえば、何条に基づいてこういう請求をする(訴訟物の明示)。だから今からこの要件を検討するっていう流れを意識しないといけない。どの科目でも同じだ。

②の能力を身につけるには答案を書きまくるしかない。
②の能力が劣ってると思う人は①と違って、とにかく答案を沢山書くことをすすめる。
できれば自分の答案を色んな人に読んでもらって添削してもらうのがいいけど、こういっちゃなんだが、馬鹿な人にいくら答案を読んでもらっても意味がない。
自分のまわりに能力的に認めることができる人がいるなら積極的に答案をみてもらうべき。

③は、あてはめの能力のことだ。
これまた書きまくるしかない。そして、今度は他人の答案をたくさんみたほうがいい。
他人の答案をたくさん読むことでいいあてはめ術がみえてくる。


長々と書いてきたけど、結論としては、論文の勉強において一番大事なのは問題演習と判例読み込み。

問題演習では、自分に何が足りないのかを見極めて、フル答案を書くのか、答案構成だけにとどめるのかを決める。
判例は新しめのものを重視しつつ、もれがないように読み込むこと。



話は変わるけど、ブログの背景画面を変更してもらいました。
写真は俺が撮った渾身の一枚です。
今でもこの一枚を忘れずに生きています。

画面右側で人が人を見下ろしています。
一番上の層の少数の人間が、下の層の多数の人間と、陸にもあがれない海に浮かんでいる最下層の人を見下ろして悦に浸っている。
下の層の人間は上の層の人間を羨ましそうに見上げている。なかには諦めて下をむいてる者もいる。
人間界の縮図を映し出しているかのような一枚だ。
ただ写真全体をみてもらいたい。
大きな空、大きな海、大きな雲、地平線の前ではそんなことがすごく小さくみえてくる。
今ある自分の位置なんてすごい小さくて、世界はもっとでかくて、いつでも逆転可能だということも映し出している一枚だ。
俺が1回目受験に失敗して、受け控えている頃、母親とサイパンに旅行したときの一枚です。
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