香港の投資ファンドが、5年前、日本航空の株を空売りして株価を下げる相場操縦を行い不正な利益を得ていたとして、日本の証券取引等監視委員会の要請を受けた香港の当局から、日本円にしておよそ1億5000万円の制裁金を課されました。
制裁金を課されたのは、香港の投資ファンド「オアシス」と経営者の男性です。証券取引等監視委員会によりますと、この投資ファンドは、5年前の平成18年、業績が悪化していた日本航空が資金を得るため、大規模な公募増資をして新たに株式を発行した際、日本航空の株を大量に空売りして株価を下げ、株を買い戻した時との差額、数億円の利益を上げたということです。監視委員会は、一連の取り引きは金融商品取引法に違反する相場操縦に当たるとして、香港の証券先物委員会に処分を要請していました。これを受けて香港の証券先物委員会は、15日、1500万香港ドル(日本円にしておよそ1億5000万円)の制裁金を課す処分をしました。日本航空が増資によって得た資金は、株価が下がったことで50億円近く減ったということで、監視委員会は海外からの不正な取り引きへの監視を一層強化することにしています。