閉廷後、弁護士会館で開かれた烏賀陽氏側の報告会
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第5回「オリコンうがや訴訟」で、オリコンランキングの元データに含まれる5店舗(CD売上データ等を提供)に対して実施された調査結果が裁判所に提出された。その証拠資料によると、データの送付手段はバラバラ、ランキング情報も10位までの店もあれば30位まで提供している店もあり、さらに争点のひとつ「予約枚数をカウントしている」と明確に認めた店長までいる。オリコンランキングが嘘っぱちである証拠が出されたにもかかわらず、小池社長は証人出廷を拒否し逃げ回る構えだ。
【Digest】
◇アポなし、レコード販売店調査
◇「予約枚数をカウントしている」
◇調査協力店なのに電話不通・不在・閉店・廃業
◇小池オリコン社長の証人を拒否
◇次回はいよいよ証人尋問
ジャーナリスト烏賀陽弘道氏が音楽情報配信会社オリコンから名誉毀損で提訴され、5000万円という異例の高額賠償を請求されている、いわゆる「オリコン訴訟」の第5回口頭弁論が、10月2日(火)14時から、東京地裁709号法廷にて開かれた。
当日も烏賀陽氏の支援者のほか同訴訟に関心を持つマスコミ関係者や音楽関係者らが駆けつけ、傍聴席はほぼ満席の状態だった。
◇アポなし、レコード販売店調査
閉廷後に弁護士会館5階において、烏賀陽氏側報告会が開催された。まず、弁護士から口頭弁論についての説明がなされ、さらに今回、裁判所に提出された証拠についての解説が行われた。
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オリコンランキングの元データに含まれる5店舗に行なった調査(裁判所に提出された報告書より)。
データの送付手段はバラバラ、ランキング情報も10位までの店もあれば30位まで提供している店もある。
「予約枚数をカウントしている」と明確に認めた店長までいることがわかった。
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提出された証拠は、担当弁護士らによって実施されたレコード販売店への調査結果。こうした調査が行われることは極めて異例である。
その内容は、オリコンにCD売上データ等の調査協力を実施している、都内ならびに埼玉県内で営業中のレコード販売店5店舗に対し、アポイントなしで弁護士らが直接訪問、その場で各店舗の責任者からオリコンへのデータ提供の詳細を聴取する、というものであった。
その結果、販売店からオリコンへの情報送付の方法に疑問を抱かずにはいられない事実が明らかとなった。
まず、情報送付の手段が統一されていない。FAXで送るという店もあれば、メールで送付していると答えた販売店店長もいる。「電話で口頭で」というケースもあった。もっとも、データの送付手段は販売店の事情により異なることは考えられる。
しかし、問題はデータそのものが、統一性を欠くという点である。それは、店舗によってランキングの順位の分量がまったく異なるということである。
どういうことかというと、たとえば、ある販売店では「1位から30位まで」と述べたのに対し、別の店では「1位から10位まで」、さらに別の販売店では「1位から20位」と回答している。なかには、「1位から20位から30位くらいまでを報告している」という、かなりアバウトなものまである。
また、データ報告についても統一のフォーマットなどは用いられていない。一応、オリコンが作成した調査用のシートはあるというが、各販売店は使用していないという。また、オリコン製のシートを使用しなかったからといって、オリコン側からとくに指示などはないらしい。
◇「予約枚数をカウントしている」
そして、争点のひとつとなっている「販売チャートへの予約枚数の加算」について、無視できない結果が得られた。
すなわち、「予約をカウントすることはない」と答える販売店がある一方、複数の販売店が「予約枚数をカウントしている」と認めているのだ
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音楽ジャーナリストの津田大介氏、オリコン社長の小池恒氏、烏賀陽氏本人の3人を証人として要求した「証拠申出書」
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