残暑が続く韓国では、15日、日中の電力使用量の高まる時間帯に電力の供給が追いつかず、全国で大規模な停電が起きて混乱が広がったことから、韓国政府は、緊急の会議を開き、安定的に電力を供給するための対策を協議しています。
韓国では、15日、南部のテグで最高気温が34度を越えるなど、厳しい残暑が続いていて、15日午後3時のピーク時の電力使用量は、予想をおよそ300万キロワット上回る6700万キロワットに達しました。このため、韓国電力は、安定的な供給を維持できなくなったとして、予告しないまま、午後8時ごろまで地域別に電力の供給停止に踏み切りました。この影響で、家庭や企業など全国162万か所で一時停電となり、マンションのエレベーターに閉じ込められる人が相次いだほか、全国各地の交差点で信号が停止したり、野球場の照明灯が消えたりする混乱が起きました。これを受けて韓国政府は、15日午前、緊急の対策会議を開き、イム・ジョンリョン国務総理室長は「予告のない停電により、多くの国民に迷惑をかけたことを申し訳なく思う」と謝罪しました。会議では、公共機関や企業に対して節電を呼びかけるなど、安定的に電力を供給するための対策を協議しています。韓国政府と韓国電力は、今月に入って全国23の原子力発電所や火力発電所などの運転を一時停止し、整備点検を行っており、電力需要の見通しの甘さに批判が集まっています。