「皇太子ご夫妻が責任をとる」という考えには納得している。
学校内のことで何かコトがあれば、最終的には校長が責任をとるわけで、そのための校長なのだが、世の中、「たまたま校長が不在の時だった」とか「教頭先生が指示した」とか、たいていはいぎたなく、なし崩し的責任転嫁が始まる。
いくら責任をとると言っても、言葉だけでは、いくらでも言い逃れする、という良い例である。
だから身をもって「責任をとる」ことを示される皇太子ご夫妻には、ただただ頭が下がる。
学習院には一般のお子様もいらっしゃるわけだから、敬宮殿下にくっついているというよりは、同じ場にいるというスタンスで、お付き添いをしておられる雅子妃殿下の姿勢からは、一般で言う母親が付き添うのとは違う事情が透けて見える。

ところが、これをどうしても「子離れ出来ない母親が悪い」と言いたいらしい連中がいるのだ。

さんざん渡辺ババも松崎ジジも書いていたが、なかなか埒があかないとみえて、今回新しい教育評論家を持ってきた。
自身も学習院で学んだという山本紫苑という教育コンサルタントである。

「校外学習の趣旨を考えれば、今回を機に”親離れ・子離れ”をなさったほうが、雅子様にとっても愛子様にとってもほかの児童にとっても、いいことだと思います」

と、いとも簡単に言うが、本当にこれは「母娘密着」の弊害なのだろうか？

敬宮殿下がお元気になられたご様子は、もう去年から見えている。
しかし、今年になってから、むしろ皇太子殿下が積極的にサポートをしておられる。
雅子妃殿下のお疲れも溜まっているから、ということもあろうが、しかし、ほんの1時間くらい早くおいでになるだけで、雅子妃殿下に悪意を持つ人達は、これを「寝坊だ」と言いたいらしい。

まぁ、夫婦で出かける時は、たいていの女が経験していることだが、やはり女のほうが支度に時間がかかる。
雅子妃殿下の場合には、お三人で朝食を取られた後、皇太子殿下のお世話はもちろんのこと、留守中のことをいろいろ指示していく必要もあろう。
敬宮殿下がお一人で登校のしたくをなさるにしても、どうしても揃って出るというのは、妃殿下に負担がかかる。
「先に行っているよ」と出かけてくれるのはとてもありがたい。
1時間くらいあっという間に立つ。
しかしその1時間が主婦にはたいそう貴重である。
皇太子殿下は、そのへんのところもちゃんとお分かりで、こういうサポートの仕方をしておられると思うのだが、このことだけでも、雅子妃殿下の「母子密着」ではないことがわかろうものである、と同時にただの「付き添い」でないことがわかる。

それよりも、こうまでして、夫婦で付き添わねばならない事情はなにか？

事情はわからないが、原因が皇太子家の方にあるわけではないことは、よくわかる。
写真で見ると、敬宮殿下は張り切ってお父様の前を歩いておられる。

去年のお泊りを伴う校外学習は、昼間だけの参加だった。
しかし、今年はお泊りも含めて参加されるという。

たいていの母子密着は「ママが一緒でなければ私も行かない」というやつだが、
「合宿に参加したい」
「管弦楽の練習をちゃんとやりたい」
こういう意欲をもっておられる敬宮殿下に、1時間でもご夫婦交代してのお付き添いという状態から、見えてくるものは何か？

それは母子密着ではなく、どうしても「付き添わねばならない別の理由」があるからだ。

みんな書かないのか書けないのか、敬宮殿下を害せんとするものが、いまだ存在するということではないか？
それは一般的なセキュリティとは違う、皇太子殿下あるいは皇太子妃殿下がお姿をお見せになることによって、何とか食い止められるもの、と言えるのではないか？

母親のせいにして「子離れせよ」とあたかも正論を吐いているつもりの連中には、現状をよく見よと言いたい。

それでもなおご両親（or　雅子妃殿下）を敬宮殿下からひっぺがしたい輩は、「何かしら腹に一物ある人間」ということになる。