【社説】全国規模の停電、責任の所在を明らかにせよ

 15日午後3時ごろ、首都圏や地方の大都市を含む全国各地で一斉に停電となる事態が発生した。政府の説明によると、残暑による電力消費の急増に電力供給が追いつかなかったことが原因だという。停電の影響で銀行の業務は中断し、携帯電話は一時通じなくなり、道路の信号機も消えたほか、ビルなどではエレベーターが停止し、中に閉じ込められる人が続出するなど、大混乱が起こった。今回のような全国規模の停電は、韓国電力の50年間の歴史を振り返っても前例がない。

 全国各地の発電所における電力供給を管理しているのは韓国電力取引所で、知識経済部(省に相当)の管理下に置かれている。電力取引所はこの日午後の電力需要のピークを6400万キロワットと予測していたが、実際の需要は6726万キロワットにまで増加した。そのため電力取引所は午後3時から30分ごとに、各地域で輪番停電を行った。しかしこの輪番停電に関して事前の説明は一切なく、市民の立場からすれば寝耳に水だった。台風や地震による被害が出たわけでもないのに、全国で電力供給が突然途絶えるという事態が生じたことについて、非常時における電力取引所の基本マニュアルはこの程度なのか、担当者にぜひとも聞いてみたいものだ。

 電力取引所の予測が大きく外れたことについて弁解の余地はない。電力取引所は普段からスポーツ中継や人気ドラマの放映時間なども計算に入れ、時間によって電力需要の細かい変動に備えておかねばならない。厳しい残暑を言い訳にしているが、気象庁の予報では15日のソウルの最高気温は30度、実際の気温は31.3度で、1.3度の差しかなかった。つまり電力取引所は安易な態度で自らの業務を怠ったとしか言いようがないのだ。電力需要が極度に高まる夏が過ぎたという理由で、発電施設の多くを前倒しでストップし、早期に整備に取りかかったという話も聞かれる。気候変動の影響により最近は気温の予測が難しい状況だが、これに対する備えがまったくできていなかったというわけだ。

 現代社会を動かしているエネルギー源である電力の供給は、常に安定的に行われねばならない。電気が途絶えれば、交通や通信、工場の稼働がストップし、金融システムも中断する。また病院では手術室や集中治療室の患者が危険にさらされる。

 今回のような大規模な停電の再発を防ぐには、1日も早く確実な対策を取りまとめる必要がある。まずはガス火力や水力など、電力需要の変化にただちに対応できる発電設備を十分に確保すべきだ。今回の突然の停電は、先進国を目指す国としてはあまりにも恥ずべき事態であり、担当者に対しても厳しく責任を追及しなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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