停電:平穏な午後、暗黒の5時間(下)

■動く歩道もストップ、すわ転倒事故

 イーマート、ロッテマート、ホームプラスなどの量販店も突然の停電で混乱に陥った。忠清南道天安市のホームプラスでは、店内の動く歩道が突然停止し、転倒事故が起きる寸前だったという。簡易投稿サイト「ツイッター」への書き込みによると、ソウル市内のイーマートでは急な停電で従業員が店内を駆け回り、混乱した状況だったという。

■ATMもストップ

 農協では全国221の支店の現金自動預払機(ATM)が一時使用不能となったが、間もなく復旧した。それ以外の金融機関では、ネットワークがすぐに復旧し、顧客への被害はなかった。ソウル市中区の新韓銀行清渓支店では、午後3時40分から20分間停電したため、非常用電力でATM4台のうち2台を稼動させた。しかし、店頭ではコンピューター入力ができなくなり、多くの客は帰らざるを得なかった。

■映画よりもパニック

 映画館の多くは、非常用電力で上映を続けたが、そうした設備がない映画館では払い戻しを求める騒動が起きた。ツイッターには「母と映画館に行ったが、上映終了の30分前に停電が起きた。事情が分からない母と私はただおろおろするばかりだった」といった書き込みが見られた。

■養殖場のヒラメが集団死

 江原道江陵市江東面にあるハンドン水産の養殖場では、午後4時ごろから30分間停電し、直径7.5メートルの円形水槽9個で飼育されていたヒラメ約1万5000匹が死んだ。

 ユ・ドングン社長(54)は「停電をあらかじめ通知してくれたならば、対策を講じることができたのに」と怒りをぶちまけた。

江原道江陵市の養殖場では、水槽の酸素供給が途絶え、ヒラメが集団死した。従業員が死んだヒラメをすくい上げている。/写真=キム・ジファン客員記者

江陵=洪瑞杓(ホン・ソピョ)記者

李美智(イ・ミジ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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