停電:マニュアル役立たず、大混乱五つの原因(上)

 15日に韓国全土で発生した前代未聞の大規模停電は、電力の需要量と供給量を調整する電力取引所がマニュアル通りの措置を取らず、さらにそれを管理・監督する立場にある知識経済部が事前、事後の適切な対応を怠ったことが決定的な原因だった。政府や政府系企業には全てマニュアルが備えられているが、停電発生時には役に立たなかった。国家電力需給管理指揮部は、右往左往した挙句、とんでもない措置を下した。

 同日の停電により、ソウル市江南区にある韓国電力公社の本社ビルでも一部照明が消えた。まさに国家電力供給指揮部の「機能停止」を象徴するかのようだった。現代産業開発の本社ビルなど周辺の建物も停電で真っ暗になった。今回の大規模停電は、関係機関のシステムが全く機能しなかった人災ではないかとの指摘が出ている。

1.知識経済部に事前報告なし

 知識経済部(省に相当)は同日、電力取引所から事前にいかなる報告も受けていなかった。電力取引所は同日午後3時の停電発生直後、知識経済部に最初の報告を行ったが、担当部署である電力課長が「会議中」だったことから、10分遅れで報告を受けた。知識経済部の関係者は「電力取引所はマニュアルを守らなかった面はあるが、既に停電措置が実施された後で、それを覆すのは難しかった」と話した。知識経済部は、事後報告を受けても、何の措置も取ることができなかった。

2.安易な電力需要予測

 知識経済部は、電力取引所に対する管理・監督を怠ったばかりではない。今回の事態を引き起こしたのは、電力需要の予測がでたらめだったからだ。同部は今年6月27日から9月2日までを「非常電力需給期間」に指定していた。この期間は夏の冷房需要が増大するとみて、発電所をフル稼働した。同部は残暑が続いたため、非常電力需給期間を9月9日まで1週間延長したが、半ばに秋夕(チュソク=中秋節)の連休があるため、企業の電力需要が減ると判断し、それ以上の期間延長は行わなかった。ところが、全国の気温は秋夕連休にも30度を超え続け、連休明けで企業が通常の操業体制に戻っても、非常需給態勢を取らなかった。15日も日中の気温が首都圏で32度まで上昇し、冷房需要が増加したが、発電所は整備中を理由に運転を中断したままだった。

 知識経済部は今月7日、夏の電力需要期が事実上終わったとみて「今夏の電力ピークには電力不足が生じなかった」と自画自賛する資料を発表していた。

街灯が完全に消え、闇に包まれたソウル市汝矣島のマンション群。一部団地では、夜の電力使用量を抑えるため、街灯や景観照明が一時的に消された。15日午後7時ごろ撮影。/写真=趙寅元(チョ・インウォン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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