巨人　痛ッ　ハマに負け越し

　痛恨どころではない。２位争いの中で、もがく巨人が、最下位の横浜にまさかのカード負け越し。投手陣が痛恨の２被弾で序盤の２点リードを逆転され、逆転優勝どころか２位確保すら怪しくなってきた。

　終盤の追撃も、１点差に迫るのが精いっぱいだった。「横浜に負け越し？　それはしょうがない。やりづらい？　そんなことはないですよ」。悪い過去を振り返らない性分の原監督は小さく笑い飛ばした。しかし、ヤクルトと中日に連続カード３連敗を喫していた相手に付けられた２度の土は大きい。

　どちらが最下位なのか分からない戦いぶりだった。３回までに２点のリードを奪いながら、２被弾であっさりとひっくり返された。２回と５回の守備では小野と高木がバント処理をミス。打線も３番・長野が４安打をマークしたが、その後が続かない。原監督は「４番、５番、そのへんの差。向こうのクリーンアップが上だった」と嘆いた。つまりは力負け。目標を失った相手に、それではあまりに情けない。

　広島、横浜と続いた２カードは３勝３敗。先月３１日に１・５差まで接近した首位ヤクルトとの差は７・５差に開いた。１３日には、桃井オーナーが「逆転優勝に向けて集中してほしい」と言い、原監督の来季続投が決定的になったが、その直後に負け越したのは皮肉な現実。１７日から２位・中日を本拠地に迎える３連戦は、大きな正念場になりそうだ。　（井上学）