2011年9月16日 13時16分 更新:9月16日 13時50分
大阪府教委の教育委員会会議が16日開かれ、橋下徹・大阪府知事が代表を務める首長政党「大阪維新の会」が9月府議会に提案予定の「教育基本条例案」に対し、意見表明ができない府教育長の中西正人氏以外の5人の教育委員全員が「ものすごく乱暴」などと批判し、反対の姿勢を示した。
同条例案は、教育行政への政治的関与を強めることを主眼としており、教員の懲戒規定を明確化したり、首長が設定した目標を実現する責務を果たさない教育委員を罷免できるなどの内容を含む。
5人のうち、陰山英男氏(立命館大教授)と小河勝氏(大阪樟蔭女子大講師)の2人は08年10月に橋下知事の肝いりで委員に選ばれたが、いずれも激しく批判した。特に陰山氏は「この条例で大阪の教育がよくなるとは思えない。学力は上がってきているのに、今まで作り上げてきたものを自分たちで壊すことになる。耐えられない」と述べ、条例案が可決されれば辞任する考えを表明した。小河氏も「教員を管理し、処罰しようとする視点しかない」と反対論を展開した。【田中博子】