韓国政府はいわゆる「従軍慰安婦」の問題について日本政府と話し合うため、15日、日本側に対し、政府間の協議を正式に申し入れました。
韓国の憲法裁判所は先月、いわゆる「従軍慰安婦」の問題を巡って、1965年の日韓基本条約に伴い賠償請求権を放棄する協定が結ばれたことを理由に、韓国政府が何の措置も取らないのは基本的人権を侵害し憲法に反するという判断を示しました。これを受けて韓国の外交通商省は、15日、韓国に駐在する日本の公使に対し「従軍慰安婦」問題について協議を始めるよう申し入れました。日韓の協定では、賠償の請求権は放棄すると定めていますが、韓国政府は、いわゆる「従軍慰安婦」や広島や長崎で原爆の被害を受けた在日韓国人の被爆者の実態は、当時、明らかになっていなかったとして、再度協議すべきだと主張しています。これに対して日本側は、「請求権の問題は、協定によってすべて解決済みだというのが日本側の立場で、韓国側の要請については本国に持ち帰って検討したい」としており、今後、この問題が両国間の新たな外交摩擦に発展する可能性も出ています。