2004-05-25
読みにくい世論
世論が読みにくい状況が続いている。イラク問題、年金法案、北朝鮮拉致問題、イラク人質事件等々、どれをとっても、一筋縄ではいかない有り様だ。風薫る5月というものの、クルクルと変わる風向きは、安易な予断を許さない。
ただ、以下の共同通信の緊急電話調査を見る限りでは、国民はマスコミの情報を鵜呑みにしているわけではなく、絶妙なバランス感覚を堅持していることがわかる。
今は、風向きを予測している場合ではない。自ら風を起こす時である。
私は小泉首相の訪朝記者会見をラジオで聴いた。5人の子供達が帰ってくると知り、快哉を挙げた。ところが、これに冷や水をぶっ掛けたのは、拉致被害家族の怒りの声だった。
拉致問題解決せず83% 68%は日朝会談評価
共同通信社が23、24両日に実施した全国緊急電話世論調査の結果、小泉純一郎首相が北朝鮮を再訪問、金正日総書記と会談したことを受け、日本人拉致問題について「解決したと思わない」と答えた人が83.9%に上った。再訪朝について「評価する」は68.4%となったが、2002年9月の初訪朝直後の調査に比べ17.8ポイント低い。
内閣支持率は54.9%で、15、16両日の前回調査に比べ1.1ポイントの微増にとどまった。不支持率は31.5%で4.1ポイント減。
安否不明者10人について再調査するとした日朝両政府の取り組み姿勢についても「十分だ」が8.6%だったのに対し「十分だとは思わない」が88.0%となるなど、首相訪朝を全体として評価しながらも、拉致問題などについての厳しい見方が浮き彫りになった。
日朝会談について「評価しない」は30.7%だった。首相が日朝首脳会談で示した北朝鮮に対する食糧援助と医薬品の提供については「容認できる」が18.4%にとどまったのに対し、「容認できない」が約2倍の35.5%に上った。
年金法案を見送ったらどうなるか
1.毎年1兆円の損失(20歳以上の人が1000円払うことになる)
2.5年待ったら制度の破たん(団塊世代が60歳になる前じゃないとアウト)
3.先送りは負担増(負担が増えても議論をすべきなのか)
【だから年金改革法案は見送れません】そもそも、まともな対案を出した政党はなし。真剣ではない証拠。
民主党が主張する年金制度の「一元化」を行ったらどうなるか
1.無理に一元化すると負担増(国民年金で500万の所得なら現在の4倍払う)
2.年金制度をさらに混乱させる(破たん寸前の制度を安定させて改革すべき)
3.中小企業の所得の把握が難しい(商店などの所得調査がひんぱんに必要)
だから【一元化には議論が必要】ということで民主の意見も聞いて3党合意を示した。
以上、「嘘つきの悲劇」より。
勇気ある行動
臆病者の溜め息は、希望を奪う。しかし、一人の勇気ある行動は、万人を勇者へと変える。
メールマガジンの発行順序を誤ってしまった。ナンバリングが前後してしまうがご勘弁願いたい。
世界ジャンボリーに参加していた6000名のボーイスカウトが大石寺に避難した。この時、イギリス隊の少年達が、自分たちのテントが水浸しになりながらも、他の国のメンバーを先に避難させ、最後の最後まで奮闘した姿を讃えた一節。
『前進』を読んでた世代の方であれば、よく知っている有名なエピソード。ジェントルマンの宗主国で育った少年にはジョンブル魂が脈打っていた。
溜め息は、科学的に見ても毒性があるという。人間の溜め息を水溶液に溶かしてマウスに注射をすると死んでしまうそうだ。息に溜められているのは、やるせなさ・失望・倦怠感・あきらめ等であろう。何とはなしに、酸性度が物凄く高そうな気がする。溜め息は、煙草の副流煙のように周囲の人々を害する。
勇気は行動とセットになっている。バラ売りされることは決してない。心の中だけの勇気は、勇気とは呼ばない。それはただの観念論だ。
一人の勇気ある行動は、人をして崇高な気持ちにさせる。人間に対する信頼を高める。自分の可能性に気づかせてくれる。自分のわがままをあぶり出し、進むべき正しい方向を指し示してくれる。
勇気を発揮する機会は、三度の飯より少ないだろう。なぜなら、勇気は、いざという時にしか示せないからだ。大変な時、迷った時、負けそうになった時こそ、勇気が試される。
我々は地涌の菩薩だ。菩薩から勇気を取ってしまえば、クリープのないコーヒーどころか、コーヒーのないクリープみたいなものだ。ポケットのないドラえもんと言ってもよし。
ガンジーは言った。「革命はカタツムリのスピードで進む」と。そうであれば、革命の実像は小さな勇気の積み重ねに依らねばならない。そして、勇気は出せば出すほど強固な性質となる。
小さな問題で動揺し、目的を見失っている人々の目を醒ますような勇気を発揮する大確信のリーダーでありたい。