ギリシャ「移動の自由」危機…EUが資格停止案
【ブリュッセル=工藤武人】ギリシャが、欧州25か国が国境審査の相互撤廃を定めた「シェンゲン協定」の資格を一時的に失う可能性が出てきた。
トルコから陸路でギリシャに入り、他の欧州諸国へ移住する域外の不法移民が絶えず、ギリシャがこれを統制できないためだ。通貨ユーロの信用不安を抱える欧州は、統合理念の柱の一つ「人の自由な移動」でも、参加国の締め出しという後退を強いられそうな状況だ。
欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は16日に協定の見直し案を決定、欧州議会に提案する見通し。欧州メディアによると、同案は不法移民の流入を慢性的に許した参加国について、その資格を30日から6か月の間、停止するとの内容。
この措置が発動されるのはあくまで「最終手段」としてだが、一時的にせよ参加国の資格を停止する強硬措置は1995年の同協定発効以来、前例がない。資格停止となった国の国民は、身分証明書一つで域内を自由に移動できるシェンゲン協定の恩恵を受けられず、ギリシャから協定参加国へ渡航する人は国境審査を受けることになる。
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