沖縄・恩納村のリゾートマンションの一室で潜伏生活を続ける島田紳助。引退表明会見時には、「ちょっとは何か世の中の役に立てたらいいなと思いますので、そういう気持ちを持ち続けていきたいと思います」と語り、沖縄のサンゴの保護にも触れてみせた。
だが、仮に沖縄に潜伏し続けられたとしても、彼には決して逃れられないものがある――。
「島田紳助は暴力団にシャブリつくされて無一文、無価値になる」
ジャーナリストの溝口敦氏は紳助の行く末をこう暗示する。45億円ともいわれる紳助の資産がゼロになるというのだから穏やかではない。そこには暴力団の冷徹非情な“シャブリつくしの論理”があった。
「暴力団は、引退を言いだしたものに対してはひどい扱いをする。たとえば、昨年に実際あった話で、引退を言いだした中京圏の中堅組長に対して、引退するなら今まで稼いだものは全部置いていけと命じ、その組長は人材派遣業で結構業績もあげていたのだが、それをも置いていけと責め立て、結局、組長は自殺してしまった。一般的に、組を脱落するものは裏切り者で、10円の飯も食わせるな、という。一面、鉄の規律ではあるが、とにかく厳しい」
それは、下部組織ばかりではない。かつて山口組3代目組長・田岡一雄の時代に若頭補佐まで務めた小田秀臣は、金融業を営み、山口組の金庫番とまでいわれて羽振りがよかった。だが、山口組が一和会を分派したとき、心ならずも引退せざるをえなかった。
「小田は暴力団に貸しこんでいることが多く、引退した途端、『誰も返そうとせえへん』と寂しげだった。暴力団の金融というのは、博打の賭け金の融通がきっかけで始まり、借り手もヤクザが多い。そのため、貸し手はあくまで強くないといけない。弱ければ相手が馬鹿にして返さない。それが原理だ。だから引退した小田には、もはや返さなくてもいいカネというふうに理解する。暴力団というのは平気で共食いをする習性を持っている」
引退した組長すら食われてしまうというのが暴力団の常というわけだ。
「10数年前、親分をさらって身代金を要求するという事件があったが、そういう仲間食いを平気でする。まして私兵を持たない企業舎弟やフロント企業の人間などは食い物にされやすい。だから紳助だって」と溝口氏は続けるのだ。
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